この記事はメグリエ運営事務局によって作成しました。
「注文住宅の建築を計画中だけれど、希望をすべて入れると予算をオーバーしてしまう」と悩んでいる方は珍しくありません。多少の予算オーバーならば自己資金やローンの借入額を増やしたりすることで対応できます。しかし、大幅に予算をオーバーしてしまう場合、家のデザインや間取りを変更するなどして費用を削らなければなりません。
今回は、注文住宅にかかる費用の中で、削れるところと削ってはいけないところをそれぞれ紹介します。「注文住宅の費用で削れるところが分からずに悩んでいる」という方はもちろんのこと、これから注文住宅の建築を予定している方も参考にしてください。
注文住宅づくりで予算オーバーする主な原因

はじめに、注文住宅づくりで予算オーバーする主な原因を解説します。注文住宅は大きな買い物なので、金銭感覚が狂いがちです。「少々予算をオーバーしただけ」と思っても、数百万の差が出る場合もあるでしょう。これから注文住宅づくりの計画を立てる方も、原因を知っておけば予算オーバーを防げます。
営業担当者がすすめるままに余計な設備を増やしたから
注文住宅の設計をする際、ハウスメーカーの営業担当者がさまざまな提案をしてきます。営業担当者によっては、さまざまな設備をオプションで提案することもあるでしょう。オプションの住宅設備を設置すれば、より暮らしやすくなるように感じられます。
しかし、いざ住んでみると使わなかったり、設置しなくても問題なかったりする設備が多いことも事実です。有料のオプション設備を設置すればするほど、家を建てる費用は上がっていきます。本当に必要な設備かどうか考えたうえで、設置を検討してください。
なお、「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」内の「【損失500万以上】後悔する注文住宅オプション15選」もオプション選びの参考になります。ぜひ、チェックしてみてください。まかろにおは、大手ハウスメーカーの勤務経験を活かし、『人から始める家造りの重要性を世に広める』をコンセプトとした動画を配信している住宅系YouTuberであり、どの住宅メーカーにも忖度しない、中立的な立場で情報を発信しています。
外観・内装にお金をかけ過ぎたから
注文住宅は、施主が自由にデザインや間取りを決められます。しかし、施主のこだわりが強いほど、家づくりにかかる費用も高額になりがちです。
たとえば、シンプルで直線的、装飾が少ないデザインと装飾が多く曲線を多用したデザインでは、後者のほうが費用がかかります。また、内装にもランクがあり、施主がこだわりによっては予算が大幅にオーバーする可能性もあるでしょう。間取りも、イレギュラーなものだと設計費用が上乗せされたり、工事に日数がかかったりして費用が高額になる可能性があります。
予算が大幅にオーバーした場合、外装・内装・間取りのどれに最もお金をかけるか選択する必要があります。たとえば、外装をシンプルにしてその分内装のランクを上げたり、間取りにこだわるなら内装のランクや外装のデザインを変更して費用を抑えたりするなどの工夫をしてみましょう。
土地の改良にかかる費用が予想以上だったから
土地の改良費用が予想より高額になるケースは珍しくありません。土地の改良とは、家の耐震性や耐久性を高めるために地盤の強度を高める工事を指します。
近年、耐震性の高い住宅を建てるため、土地の改良や補強工事が必要なケースが多いです。土地の改良にかかる費用は、土地を取得して検査をしないと正確な額がわかりません。また、複数のハウスメーカーに調査を依頼すると、ハウスメーカーごとに費用がかかります。
そのため、ハウスメーカーが決まっていない状態で土地を購入し、複数のハウスメーカーに土地の調査を依頼するとその分費用が高くなります。その結果、大規模な工事が必要となると、多額の追加費用がかかる場合もあるでしょう。
なお、古くからの宅地より、造成したばかりの土地のほうが土地の改良に費用がかかる傾向にあります。土地の改良にかかる費用を抑えたい場合は、古くからの宅地の購入を検討したり、利用するハウスメーカーを決めてから地盤の調査を行うなどの方法を検討したりしましょう。
土地の改良についてより詳しく知りたい場合は、「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」内の「注文住宅で契約する前に確認すべきことTOP8前編【ハウスメーカー】」もチェックしてみてください。
外構に費用をかけたから
外構とは、庭やカーポートなど家の外回りの総称です。外構の工事費や建材の費用は、家の建築費用に含まれません。
そのため、外構にかかる費用をうっかり計算し忘れる場合もあります。途中で外構工事費を見積もりに入れ忘れたことに気づいた結果、予算が大幅にオーバーするケースもあります。
また、庭づくりにこだわった場合や、目隠しや塀などが必須の場合は外構にかかる費用も高くなりがちです。
外構は、後から設備を追加したり庭を整備したりできます。外構費用を予算に組み忘れていた場合や、家の建築費用によりお金をかけたい場合は、必要最低限の設備だけ設置して改めてお金を貯め、設備を設置する方法も検討してください。
注文住宅で予算オーバーした場合に削れるところ

注文住宅を建てる際にかかる費用は、住宅の「建築費用」と「諸費用」の2つに分類できます。
建築費用とは、住宅を建築するそのものの費用であり、住宅建築の総費用の70〜80%が相場です。住宅の建築費用はハウスメーカーによって異なり、1坪あたりの単価である「坪単価」でおおよその費用が算出できます。
坪単価が高いほど建築費用は高くなります。なお、同じハウスメーカーでも商品によって坪単価が異なるため、比較・検討してみる必要があります。
一方、諸費用は、庭を含む外構を施工する費用や屋外給排水工事費用・ガス引き込み費用・登記費用などが該当します。諸費用は、住宅建築の総費用の20〜30%が相場です。
諸費用に含まれるお金はあらかじめ決まっており、施主の工夫や選択によって大幅に変わる可能性は低いでしょう。したがって、注文住宅の見積もりを作った結果予算が大幅にオーバーした場合は、まずは建築費用を見直してください。
なお、「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」内の「住宅価格高騰に備える!初期コスト大幅カット術10選」をチェックすると住宅の建築費用を抑えるポイントがわかります。また、建築費用を抑えるための方法を5つ解説します。
片流れ屋根にデザインを変更する
注文住宅の建築費用を抑えるには、外観のデザインを工夫することをおすすめします。「片流れの屋根」とは、「へ」の字型の屋根の半分だけにしたような形の屋根です。片流れの屋根にすると、デザイン上2階部分の半分がなくなるため、費用の節約になります。
ボックス型のデザインにして屋根を平たくしても、一般的なデザインの屋根をつくるよりは費用が抑えられる場合もありますが、豪雪地帯など屋根に傾斜がついていたほうが管理しやすいケースもあるでしょう。
ただし、片流れの屋根は天井面がフラットではなくなったり、無駄な小屋裏収納が増えたりするなどデメリットがあります。2階にある程度部屋が欲しい場合も、片流れの屋根は適しません。そのことを把握したうえで比較・検討してください。
ベランダをなくす
ベランダをなくすと、設置コストや維持コストが削減できるだけでなく、防犯性能も高まります。
ベランダの役目は、主に洗濯物や布団の干場です。しかし、近年は防犯の観点から洗濯物を外に干さないご家庭も増えています。
また、都市部のコンパクトな土地に家を建てた場合、ベランダをつけても近所からの視線が気になってほとんど使わないケースもあるでしょう。このほか、ベランダが空き巣の侵入経路になる恐れがあります。
ベランダがなくても、庭や浴室、脱衣所に洗濯物を干すスペースを設ければ、洗濯物の干場に困ることはありません。布団は、「布団乾燥機」を用いれば、干す場所がなくても問題ありません。
ベランダを設置しなければ、建築費用が削れるだけでなく、メンテナンス費用も抑えられるメリットもあります。
扉・窓をなくす
窓や扉を少なくしたほうが建築費用を抑えられます。
日本の住宅は、長年家の内部に湿気を溜めずに夏を過ごしやすくすることを重点に設計されてきました。そのため、「家には大きな窓が複数必要」と考えている方も多いでしょう。
しかし、窓を多くすると断熱性が低くなるデメリットがあります。また、大きな窓は不審者の侵入口になったり、外から覗かれたりするため注意が必要です。
近年、「全館空調」で室温や湿度をコントロールが可能です。無理して大きな窓を設ける必要はありません。
扉は、設置すればプライバシーを保てますが、空調効率が悪くなるデメリットがあります。扉を設置せず、通路をクランクさせて目隠しにすると、プライバシーを保ちつつ建築費用も抑えられるでしょう。
建築士やハウスメーカーの営業担当者とも相談し、削れる窓やドアは削ってみてください。それだけで、建築費用が抑えられる可能性があります。
建物の外観をシンプルにする
建物の外見は、できるだけシンプルなほうが建築費用を抑えられます。
デザインの種類だと「シンプル」や「シンプルモダン」です。近年多くなった屋根を平面にしたボックス型の家は、シンプルモダンの代表的なデザインです。
直線的なデザインかつ装飾が少ない外観の場合、建築費だけでなくメンテナンスにかかる費用も抑えられます。また、流行に関係ないデザインなので、インテリアで印象を変えられることもメリットです。
デザインを「和」に寄せれば「和モダン」、「ナチュラル」に寄せれば「ナチュラルモダン」の家になります。印象を簡単に変えることができれば、親から子どもへ家を受け継がせやすくもなるでしょう。
外構を必要最低限にする
前述したように、外構は後付けが可能です。目隠し、カーポートなど必要最低限のものだけに絞れば、建築費用を抑えられます。
庭整備は後回しにしても問題ありません。また、庭も一緒に作りたければ、整地だけしてもらってエクステリアを最低限にする方法もあります。
近年、庭をDIYする方も増えています。家族で少しずつ庭づくりをするのも楽しいでしょう。
注文住宅で削ってはいけないところ

予算オーバーした場合、建築費用の削れるところを探す必要がありますが、削ってはいけないところもあります。ここでは、予算オーバーしても削ってはいけないところを解説します。
断熱性や気密性など住宅性能
可能な限り、断熱性や気密性には予算を割くようにしてください。
断熱性や気密性など住宅性能に関する部分は、家を建てた後からの補強が難しい場所です。断熱性や気密性を下げれば建築費用を抑えられますが、夏暑く冬寒い暮らしにくい家になってしまう可能性があります。
また、断熱性や気密性を削って費用を抑えると、結露やカビなどが発生しやすくなり、家自体の寿命が短くなる恐れもあるでしょう。メンテナンス費用が余計にかかる可能性もあるため、長い目で見ればかえって損をするケースもあります。
屋根の素材
建築費用を削らなければならなくなっても、屋根の素材はある程度費用をかけた方が良いでしょう。
屋根は、風雨から家を守ってくれる大事な場所です。その一方で、こまめな点検が難しいため、耐久性が高い素材を使わないと、雨漏りが発生するまで傷みに気がつかないケースもあります。
また、家を建てる場所によって適した素材が異なるため、営業担当者とよく相談することが大切です。安いからといって「硬質アスファルトルーフィング1層」や「スレート瓦」を使うと寿命が短くなり、メンテナンス費用が高額になる可能性もあります。
床材
床材も、値段だけで素材のランクを決めると、後悔する場合があります。
特にシート系素材はメンテナンスができないものがあり、経年で劣化したら総取り換えが必要といったデメリットもあります。
床は面積が広いため、傷んだ場所を部分修理できる素材のほうが長い目で見ればお得です。部分修理ができない素材や、寿命が短い素材は可能な限り避けましょう。価格を抑えた天然
素材の一例を挙げると、無垢のユニット材や無垢の余り材等があります。
ハウスメーカーによって取り扱っている床材が異なるため、費用を抑えられる天然素材はあるか、営業担当者に確認してみてください。
照明
シーリング照明は安価ですが、部屋のすべてを一律に明るく照らすため、落ち着かない空間になってしまう可能性があります。
家は、くつろげる空間であることが大切です。照明は間接照明をメインの光源として使うと適度な暗さができてリラックスできることはもちろん、おしゃれにも見えます。
土地改良
地盤の補強にかかる費用は、削ってはいけない費用の筆頭です。
地盤の補強が不十分だと、建物自体の耐震性を高めても意味がありません。家が地震に耐えても、地盤沈下等で建物が傾いてしまうと倒壊の危険性があります。
地盤調査の結果に基づいて、ハウスメーカーが必要と提案した工事は可能な限り行いましょう。そうすれば、震度6以上の地震が起こったとしても、耐震性の高い家は持ちこたえられます。
注文住宅づくりを予算どおりに進めるポイント

見積もりを出した後で費用を削るのは大変です。ポイントを押さえれば、予算内に家の建築費用や諸費用を抑えやすくなります。最後に、注文住宅づくりを予算どおりに進めるポイントを解説します。
予算の上限を決める
家づくりの計画を立てる前に、「ここまでに予算を収める」という上限を決めると、大幅な予算オーバーを防ぐことができます。予算の上限が決まっていれば、オーバーした時点で調整の判断をすることができ、オプション設備の選択も慎重になるためです。
また、家の総費用だけでなく家の建築費にいくらまで、諸費用が幾らまでと分けて上限を決めると、ハウスメーカーの営業担当者も予算に合わせた提案をしやすくなるでしょう。予算オーバーした場合に備えて「オーバーできる上限」も決めておくと、臨機応変に対応しやすくなります。
本当に必要な設備を家族全員でピックアップする
必要な設備が明確になっていれば、営業担当者のセールストークに乗らずに済み、予算どおりに進めることができます。建築を予定している注文住宅のカタログやホームページをチェックしながら、必要な設備を家族全員でピックアップしてみましょう。
なお、設備を設置する優先順位は「後付けが難しい設備」「後付けが可能な設備」「今は必要ないが数年後に必要になる可能性が高い設備」です。設備は使わなくても設置してあるだけで劣化していきます。
数年間は使う予定がない場合、リフォームの際に導入できる可能性もあるか確認してください。後付けが可能な場合、必要なときに設置したほうが最新型も出て使い勝手や性能がより高くなっているはずです。
ハウスメーカーの費用相場を把握しておく
各ハウスメーカーが販売している主力商品は、それぞれ費用が異なります。建築費用の相場は坪単価で確認ができるため、利用を検討しているハウスメーカーの坪単価を比較してみましょう。坪単価が安いハウスメーカーのほうが、建築費用を抑えられます。
「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」内の「【2025年最新】大手ハウスメーカー坪単価ランキング」をチェックすれば、最新の坪単価を確認できます。
なお、大手ハウスメーカーの坪単価は、中小のハウスメーカーに比べて全体的に高めですが、アフターフォローが充実している等のメリットもあります。そのような点も理解したうえでハウスメーカーを選んでください。
施工事例をできるだけ多くチェックする
施工事例を確認すれば、おおよその費用を把握することができます。
施主が建てたいイメージに近い施工事例があれば、ハウスメーカーの営業担当者に事例を見せながら予算の相談ができるでしょう。また、施工事例があったほうが、施主が希望する家のイメージを共有しやすいというメリットもあります。
注文住宅オンライン相談サービス「メグリエ(MEGULIE)」に登録すると、「施工事例一覧」より豊富な施工事例を閲覧できます。また、まかろにおの公式LINEアカウントを「友だち登録」すれば、さまざまな有益な情報を受け取れるメリットもあります。
まとめ
注文住宅づくりは、施主の知識が薄いほど予算オーバーしがちです。「ハウスメーカーの営業担当者はプロなので、すべて任せておけば安心」と丸投げしてはいけません。また、施主に注文住宅の知識がないと、不要なものを残し必要なものを削ってしまう可能性もあります。
予算内に建築費用を抑えつつ満足いく家づくりをするには、営業者担当者にいわれるがままに決めるのではなく、施主も知識を蓄えて二人三脚で家づくりをすすめていくことが大切です。
大手ハウスメーカーの最新情報や、注文住宅を建築するうえで抑えておくべきポイントを効率良く知りたい場合は、「まかろにお【大手ハウスメーカー攻略法】」をチェックしてください。
家づくりは事前に勉強をしておくことで、後悔することが少なくなります。正しい知識を身につけて、後悔しない理想の住まいを建てられるようにしましょう。