今回は、2026年以降に流行る注文住宅のトレンドについてお話をしていきます。
というのも、先日私はイタリアで毎年開催されているミラノサローネに参加してきました。
ミラノサローネというのは、イタリア版パリコレやミラノコレクションのようなもので、建築で今後トレンドになるであろうデザインが発表される重要な世界的祭典です。
実際に日本で今流行っているグレーやベージュ系の内装は、3、4年前のミラノサローネですでに発表されていたものなのです。
3、4年前のトレンドが、時間をかけてようやく極東の島国である日本に来て、今現在のトレンドになっているのです。
つまり、いち早くミラノサローネのトレンドを知ることができれば、3、4年後のトレンドを先回りして、これからの家づくりに落とし込めるということです。
最近SNSを見ていると、どれも同じような内装ばかりなので「つまらない」「あれもこれも同じ」「個性がない」などと思っている方も多いと思います。
ですので、本記事を読んで、いち早く海外のトレンドを先取りしてみてください。
注文住宅のトレンド1:グレー・ベージュ
トレンドその1は『グレー・ベージュ』です。
これは今でも日本で流行っていますが、室内のベースカラーとしてグレーとベージュが使われているというイメージです。
ですので例えば、ミラノサローネでは、壁材や床材もグレーやベージュ系の色味のものが多かったですし、家具に関しても同様にグレーやベージュ系のものが多かったです。
一方で、日本で流行っているオーク系の色味やクリ系の色味、つまりは少し黄色みがかった色味の木材は、イタリアでは一切見ませんでした。

ウォールナット系の茶色は要所要所で見かけましたが、それでも本当にごく一部に使われていたくらいでした。
ですので、海外のトレンドを意識するのであれば、引き続き室内のベースカラーはグレーやベージュ、これらの2色にまとめてもらえればと思います。
注文住宅のトレンド2:緑
トレンドその2は『緑』です。
今回のミラノサローネでは、かなり緑が流行っていました。

どのインテリアメーカーも部分部分で緑を取り入れていましたし、キッチンでも緑が使われていたのです。
しかもおもしろいことに、洋服までも緑が流行っていたのです。
イタリアの街中に、緑のシャツやコートを着ている人が結構いました。
ですので、今後来るトレンドの色味の1つが「緑」だと思ってください。
ただ、緑といってもいろいろあります。
わかりやすくお伝えすると、ロレックスやスタバのロゴで使われているような深い緑色、花王やJTのロゴで使われているエメラルドグリーンのような色味がトレンドになっています。

反対に、LINEのロゴやSMBCのロゴのような明るい黄緑色のような緑や薄い色味の緑はトレンドとは違う緑なので、その点はご注意ください。

では、実際にどの部分に緑を入れるのかという話だと思いますが、ソファのファブリック、ソファのクッション、キッチンやコーヒーテーブルの天板、

カップボード、

これらの部分に使われていることが多かったです。
緑と聞くと「えっ、そんな色入れて大丈夫なの?」と思われると思いますが、非常にいい感じの配色になっています。
個人的には日本でぜひとも流行らせたい色の1つです。
注文住宅のトレンド3:オレンジ
トレンドのその3は『オレンジ』です。
こちらについてもわかりやすくお伝えすると、エルメスのロゴで使われているオレンジです。

これがトレンドになっているのです。
この話を聞くと「いや、さっき緑がトレンドだって言ったじゃん」という反論が返ってきそうですが、そうなのです。
実はトレンドの色味が複数存在するのです。
そのうちの1つがオレンジです。
このオレンジですが、皮のファブリックで使われていることが多かったです。
具体的には、収納の一部にオレンジの皮が使われていたり、

椅子の背もたれやソファの背もたれ部分にオレンジの皮が使われていたりというイメージです。

ただし、先ほどお伝えした緑との共存は、基本的にはなしです。
つまりどういうことかというと、ベースカラーにグレーやベージュを使って、そこに差し色として緑を入れるというパターンを選ぶのか、それともオレンジを入れるというパターンを選ぶのか、それを選択してもらうような感覚です。
個人的には、緑を入れるパターンもオレンジを入れるパターンも甲乙つけがたく、どちらにするか選べと言われても非常に難しいなと思いますが、素材が大きく違うのです。
例えば、家の内装を主にウールなどのファブリックで構成していくのであれば緑、皮を取り入れた内装にしていくのであればオレンジ、くらいの住み分けで入れていただければと思います。
ただしその逆で、ウールなどのファブリックを使ってオレンジで構成されているというものはありませんでしたし、皮で緑が使われているというものもほぼありませんでした。
ウールなどのファブリックで構成していくのであれば緑、皮を取り入れた内装にしていくのであればオレンジ、どちらか好きな方を選んでいただければと思います。
注文住宅のトレンド4:黄色と朱色
トレンドその4は『黄色と朱色』です。
こちらのカラーは、ワンポイントで入れるくらいの色味になります。
ですので、先ほどの緑やオレンジとは違って、全体的に使っていく色味ではなく、使用するポイントはかなり限定的です。
例えば、
- テレビボードだけ黄色か朱にする
- サイドボードだけ黄色か朱にする
という感じで、ワンポイントで入れるくらいのイメージです。

また、グレーやベージュ、緑やオレンジと組み合わせて黄色や朱色を入れてもいいのですが、黄色や朱色を単体で入れるというのもありです。
ですので、これまで説明してきた色味とうまく組み合わせるという必要性もありません。
このあたりの変な縛りはないので、必要に応じて自分たちの好みでカスタマイズしていただければと思います。
黄色や朱色の具体的な色味ですが、黄色はトランスフォーマーのバンブルビーのような黄色や、もう少し暗めでからしのような黄色味がトレンドになります。

ただし、マツモトキヨシのロゴで使われている明るい黄色はトレンドではないので、そこはご注意ください。
次に朱色ですが、これはお汁粉を入れる時のお椀でよく使われる色になります。

基本的には結構赤味が強い朱色を使うのですが、場合によってはもう少し暗めの朱色でも大丈夫です。
とにかく日本でよく使われているお椀の色味だと思ってください。
注文住宅のトレンド5:日本テイスト
トレンドその5は『日本テイスト』です。
先ほど「朱色がトレンドです」とお伝えしたと思いますが、そこに付随する内容が、この「日本テイスト」です。
実は、ものすごく流行っているかといわれればそのようなことはないですが、少しだけヨーロッパで日本テイストが流行っています。
感覚的には、全体が10だとしたら、そのうちの1.5くらいが日本テイストのトレンドという感じです。
ですので、ものすごく流行っているというわけではありませんが、そこそこ注目を集めているといった感覚です。
ただ「日本テイスト」といっても、我々が思い浮かべるような「アマン東京」のようなかっこいい感じの日本テイストではなく、

まさにお盆とお椀のような色味の組み合わせです。

言い方は悪いのですが、少しジジババくさい感じ、それが今海外でトレンドになっている日本テイストになります。
朱色を使う場合は、セットで「日本テイスト」に寄せていきます。
ただし、今海外で流行っている「日本テイスト」というのは、我々がよく思い浮かべる従来の「アマン東京」のようなかっこいい日本テイストではなく、お盆やお椀から連想されるような色味の組み合わせだということ、これを覚えておいてください。
注文住宅のトレンド6:ラッカー塗装
トレンドその6は『ラッカー塗装』です。
ラッカー塗装というのは、ツルツルテカテカした塗装のことで、ピアノの表面仕上げのような質感のことを指します。
これはすごく流行っていました。
今までこのラッカー塗装は、一条工務店がキッチンなどで使っていました。
昔は流行っていたのですが、今は「ダサい」「古臭い」など、散々言われていたわけです。
申し訳ないですが、私自身もラッカー塗装に関してはあまりいい印象がなく、「どうやったらこんなツルツルテカテカしたものを合わせられるのかな?」とずっと思っていました。
ですが、さすがだなと思ったのが、ラッカー塗装とアルミ系の脚を合わせて、リレーションを行って違和感をなくしていたということです。
リレーションというのは、家具における共通項目をつくって室内に統一感を出す方法です。
この辺に関してはかなりマニアックなテクニックになってくるので、YouTubeのメンバーシップで詳しく解説をしています。
とにかく、ざっくり説明をするなら「共通項目をつくって室内に統一感を出す方法」をリレーションと言うのです。
そしてそのリレーションのテクニックを活用することで、ラッカー塗装の家具をアクセントとして違和感なく室内に入れ込んでいるのです。
これが本当に流行っていました。
「こういう室内テイストもありだな」と思える感じです。

この、違和感なくラッカー塗装を室内に紛れ込ませる方法が、リレーションを活用したインテリアの配置方法になります。
ラッカー塗装の家具は、理論や理屈がわかっていないと、素人の方は手が出しにくい家具なのは間違いないのですが、裏を返せば人と被りにくいテイストであるとも言えるわけです。
人と被りたくない、オンリーワンを目指したいという方は、ぜひラッカー塗装の家具を手に入れてみてください。
注文住宅のトレンド7:くの字のソファ
トレンドその7は『くの字のソファ』です。
これは、結構大きめの家でないと難しいとは思いますが、今までソファは、直線的な配置が多かったです。
それが今回から、ソファとソファの間に台形の台座を噛まして、ソファの角度をつけるというのがトレンドになりました。

もう少し具体的にお伝えすると、ソファとソファの間に噛ませる台座というのは、サイドテーブルのような役割のもので、飲み物や本などを置く場所になるのです。
確かにソファは、座りながら飲み物を飲む時や本を読む時など、物の置き場所に困ります。
その時にサイドテーブルがあると便利なのですが、サイドテーブルはサイドテーブルで合わせるのが難しかったり、なかなか使い勝手のいいものがなかったりで、結構選ぶのが難しいのです。
ただ、ソファとソファの間に台形の台座を噛ませれば、そこに物を置いておけます。
しかも、ソファに動きをつけて、単調さから脱することもできるわけです。
さらに、ソファとソファの間に噛ませる台座をラッカー塗装にすると、よりトレンドを意識したインテリアのソファの配置になってきます。

ちょっとしたことなのですが、こういう工夫から非日常感を出しておしゃれさを演出していくことで、人と被らないテイストにできるわけです。
大きいソファを置ける家はそう多くないと思いますが、もし大きめのソファを置けるという方がいましたら、ぜひともトライしてみてください。
注文住宅のトレンド8:ブークレ生地
トレンドその8は『ブークレ生地』です。
ブークレ生地というのは、羊のようなモコモコっとした生地のことで、このファブリックを椅子やソファに使うのがトレンドになっています。
ブークレ生地はものすごく流行っていて、全体が10だとしたら8くらいはブークレ生地のインテリアが使われていたような印象です。

ブークレ生地は数年前からトレンドになっていて、海外のInstagramやPinterestの投稿でもよく見かけます。
実際に、私の自宅でもブークレ生地のソファを置いています。
ただ、ブークレ生地はモコモコしていて見た目もかわいいですし、雰囲気もあっていい感じの生地ではあるのですが、汚れは目立ちやすいです。
1年くらいブークレ生地のソファを使ってみて思ったのですが、やはり汚れやすいなという印象です。
しかし、インテリアには馴染みやすいです。
というのも、室内をモダンに寄せすぎるとカチッとしすぎて冷たい印象になりやすいですが、ブークレ生地が入ることで暖かさが出るのです。
また、北欧系の室内にする場合であっても、ブークレ生地が入ることでウールっぽさがインテリアのリレーションとなって、室内の統一感を出してくれます。
特に日本ですと、やたらYチェアが流行っています。
ですので、ブークレ生地を入れるだけで、簡単に室内を北欧風に寄せることができるわけです。
確かに汚れやすいのは事実ですが、インテリアに合わせやすいファブリックであることは間違いないので、皆さん、ぜひとも試してみてください。
注文住宅のトレンド9:緑とピンクのキッチン
トレンド9は『緑とピンクのキッチン』です。
これまで緑、オレンジ、朱色、黄色と、色味に関するトレンドをお伝えしてきましたが、それは主に家具の話であって、キッチンはまた別の色味がトレンドなのです。
それが緑とピンクです。
この組み合わせのキッチンが、結構かっこよくて、しかも増えていたのです。
キッチンの天板が緑で、他がピンクという感じです。

合いそうにないですが、違和感なくマッチし、誰がどう見てもかっこいいというのがわかると思います。
これが、キッチンの色味のトレンドです。
今回のミラノサローネは、照明と家具がメインだったので、キッチンは展示されていませんでした。
ただ、来年のミラノサローネではキッチンが展示されるので、そこで大々的にこの緑とピンクの色味のキッチンがトレンドに上がってくると言われています。
ですので、もし仮に今からこの色味のキッチンを取り入れようと思って行動に移された方がいましたら、おそらく日本で3年後くらいのトレンドを先取りして家を建てるイメージになるかと思います。
流行りに敏感な方は、ぜひともトライしてみてください。
注文住宅のトレンド10:キッチンとカップボードの色味を変える
トレンドその10は『キッチンとカップボードの色味を変える』です。
これまで、キッチン本体の色味とカップボードの色味を合わせるというのが普通でしたし、私もそれが一般的だと思っていました。
むしろ、キッチンとカップボードの色味を変えるなんて、そんな怖いことはできないとすら思っていたくらいです。
しかし、デザインの本場であるイタリアでは違いました。
今のトレンドは、キッチンとカップボードの色味を完全に変えることです。

しかも、それを違和感なく組み上げるというのが、これまたすごいのです。
これまでお話ししてきたような一定の法則がなく、完全に好みで色味をチョイスしている感覚に近いです。
注文住宅のトレンド11:リブと隠し扉
トレンドその11は『リブと隠し扉』です。
先ほどお話しした「キッチンとカップボードの色味を変える」という話に付随する内容ですが、キッチンとカップボードの色味を変えた際に、カップボードを隠して壁面一面の素材を統一させるという方法があります。
壁面と扉の統一感を出すために、建具の表面を全部リブにしているのです。

表面のボコボコしているのが「リブ」というものです。
海外ですと、このリブがものすごく多用されていて、キッチンの面材に使われていたり、扉の面材に使われていたり、とにかくありとあらゆる部分にリブが使われていました。
そして、このリブの応用バージョンとして、リブのついた扉を隠し扉として使い、壁面と同化させることで、完全に扉としての存在感を消すという手法もあります。
ただ、これを日本でやろうとすると、ものすごくコストがかかります。
日本でこれを実現できるのは、それなりの富裕層になるかなという印象ではありますが、モダニズムの究極系という感じで、いいです。
私も前々から装飾を排除する方法として、多くのノウハウをまとめてきましたが、扉自体を完全に消すという方法は思いつかなかったです。
日本ですとまだまだ馴染みのない「リブ」と「隠し扉」ですが、お金に余裕がある方は、設置してみるといいのではないでしょうか。
設置難易度と施工難易度はものすごく高いですが、満足度は飛躍的に上がると思います。
2026年以降に流行る注文住宅のトレンド11選のまとめ
今回は『2026年以降に流行る注文住宅のトレンド11選』というテーマでお話をしてきました。
「トレンドめっちゃあるじゃん!」と思われたと思いますが、それでいいのです。
人によって好みの色も形も違いますし、予算も限りがあります。
そんな中でトレンドを意識した空間構成にする場合、選択肢が1つだったらあまりにも窮屈です。
ですので、今回お伝えした11個のトレンドから、皆さん自身に合ったトレンドを選び、家づくりに反映してもらえればと思います。
さらに詳細なミラノサローネのレポート動画は以下で配信しております。こちらもご覧ください。
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