この記事はメグリエ運営事務局によって作成しました。
「トヨタホームの断熱性能は実際どうなの?」「他のハウスメーカーと比べて寒いって本当?」家づくりを検討していると、こうした疑問を持つ方は多いのではないでしょうか?
トヨタホームは鉄骨系ハウスメーカーの中でも知名度が高く、デザイン性や耐久性・保証の充実度で人気を集めています。しかし断熱性能については、選ぶグレードや商品によって差が大きく、「寒かった」という施主の声が見られることも事実です。
そこで今回では、トヨタホームの断熱仕様・気密性能・検討時のポイントについて詳しく解説します。
▼この記事のポイント
- トヨタホームの断熱性能は、ハウスメーカー全体で見ると高い方ではなく、選ぶグレードによって差が大きい
- ユニット工法「SINCEシリーズ」で建てるなら、次世代高断熱仕様の「プレミアムグレード」一択
- 型式適合認定の関係で樹脂サッシを選べず、気密測定も実施していない(C値は「2行けばいい方」とされる)
- 気密シートオプションなどのカスタマイズを担当者に積極的に依頼することで、住み心地を高められる
トヨタホームの断熱性能は高い?
トヨタホームの断熱性能を評価するには、商品ごとに異なる断熱仕様を理解したうえで、業界全体の中での位置づけを把握することが大切です。
トヨタホームの断熱性能は、ハウスメーカー全体で見ると決して高い方ではなく、さらに選ぶグレードや商品によって大きな差があるのが実情です。断熱性能は後から変更することが難しいため、契約前の段階でしっかり確認しておきたいポイントの一つです。
ここでは、まず全体的な評価の方向性と、押さえておくべき前提知識を整理します。
商品によって断熱仕様が異なる
トヨタホームには大きく分けて、2つの工法があります。
- ユニット工法(SINCEシリーズ)
- 鉄骨軸組工法(エスパシオGT)
エスパシオGTは東京都限定の商品で、パナソニックホームズのHS構法をベースにしています。工法によって断熱仕様の考え方が根本的に異なるため、一括りに「トヨタホームの断熱性能」と評価することは難しく、それぞれを個別に確認することが必要です。
特にSINCEシリーズについては、グレードごとに断熱材の厚みが大きく異なるため、どのグレードを選ぶかが断熱性能を左右します。展示場では主力商品であるSINCEシリーズが中心に紹介されることが多いですが、どのグレードの仕様で展示されているかを確認しておくことが重要です。
断熱性能は他のハウスメーカーと比較して高い方ではない
結論からお伝えすると、トヨタホームの断熱性能は、ハウスメーカー全体で見て高い部類には入りません。
特に、SINCEシリーズの標準グレード(ジェネラルグレード)と高断熱グレード(コンフォートグレード)は、シンプルに断熱材が薄すぎるため、性能面では論外と言っても過言ではない仕様です。
エスパシオGTについても、決して断熱性能が高い商品ではなく、強化できる仕様の選択肢も少ない点に注意が必要です。
「トヨタグループだから品質が高いはず」というイメージだけで断熱性能まで高いと思い込んでしまうと、入居後に想定と違ったと感じてしまう可能性があります。断熱性能は実際の住み心地と光熱費に直結するため、カタログの数値や営業担当者の説明だけでなく、第三者の情報も参考にしながら慎重に確認することをおすすめします。
窓は樹脂サッシを選べない
断熱性能に大きく影響する窓について、トヨタホームには重要な制約があります。型式適合認定を取得している関係で、樹脂サッシを選ぶことができません。

アルミ樹脂複合サッシでトリプルガラスにすることは可能ですが、樹脂サッシと比べると断熱性能の上限に限界があります。
断熱性能は壁や屋根の断熱材だけでなく、窓の性能にも大きく左右されます。樹脂サッシが選べないという制約は、過度に高い断熱性能を期待してはいけないという点を示しており、検討前に把握しておきたい重要な情報です。
トヨタホームの最新情報についてもっと詳しく知りたい方は、住宅系YouTuber「まかろにお」が運営するYouTubeチャンネル「まかろにお【工務店&ハウスメーカー攻略法】」のこちらの動画を参考にしてください。

運営者である「まかろにお」は、『人から始める家づくりの重要性を世に広める』をコンセプトとした住宅系YouTuberで、各ハウスメーカーの内情を包み隠さずお伝えしています。

また、当サイト注文住宅の相談サービス「メグリエ(MEGULIE)」は、大手ハウスメーカー本社公認のサービスとして、各大手ハウスメーカーについて事前に知っておきたい知識を中立的な立場で発信しています。
トヨタホームのユニット工法「SINCEシリーズ」の断熱仕様
SINCEシリーズには、3段階の断熱グレードがあります。
- ジェネラル
- コンフォート
- プレミアム
グレードによって断熱材の厚みが大きく異なるため、どのグレードを選ぶかは断熱性能を決める大きな分岐点です。
価格だけで判断してしまいがちですが、グレード選びは入居後の快適さを大きく左右するため、それぞれの仕様内容をしっかり把握したうえで選択することが重要です。
それぞれの断熱仕様をまとめると、下の表のようになります。
| 箇所 | ジェネラルグレード(標準断熱仕様) | コンフォートグレード(高断熱仕様) | プレミアムグレード(次世代高断熱仕様) |
| 屋根・天井断熱 | 高性能グラスウール16K 130mm | 高性能グラスウール16K 200mm | 高性能グラスウール16K 300mm |
| 壁(充填断熱) | 高性能グラスウール16K 100mm | 高性能グラスウール16K 100mm | 高性能グラスウール16K 250mm |
| 床 | 硬質ウレタンフォーム35mm または、 基礎内断熱(立ち上がり部分に押出ポリスチレンフォーム50mm以上) | 硬質ウレタンフォーム35mm または、 基礎内断熱(立ち上がり部分に押出ポリスチレンフォーム50mm+基礎底部分に押出ポリスチレンフォーム50mm以上) | 硬質ウレタンフォーム35mm または、 基礎内断熱(立ち上がり部分に押出ポリスチレンフォーム50mm+基礎底部分に押出ポリスチレンフォーム50mm以上) |
ジェネラルグレード(標準断熱仕様)
ジェネラルグレードの断熱仕様は次のとおりです。
| 屋根・天井断熱 | 高性能グラスウール16K 130mm |
| 壁(充填断熱) | 高性能グラスウール16K 100mm |
| 床 | 硬質ウレタンフォーム35mm または、 基礎内断熱(立ち上がり部分に押出ポリスチレンフォーム50mm以上) |
断熱材の厚みが全体的に薄く、他社の標準仕様と比べても明らかに見劣りします。特に床下断熱の硬質ウレタンフォーム35mmは、現在の住宅市場の水準では薄い部類に入ります。
他社の床下断熱材が100〜200mmを主流としている中で、35mmは大きな差があります。コストを優先してこのグレードを選ぶと冬場の寒さを実感しやすくなるため、「できれば採用したくない仕様」と考え、どうしてもコスト的に折り合わない場合を除いて避けるようにしましょう。
コンフォートグレード(高断熱仕様)
コンフォートグレードの断熱仕様は次のとおりです。
| 屋根・天井断熱 | 高性能グラスウール16K 200mm(ジェネラルより強化) |
| 壁(充填断熱) | 高性能グラスウール16K 100mm(ジェネラルと同じ) |
| 床 | 硬質ウレタンフォーム35mm または、 基礎内断熱(立ち上がり部分に押出ポリスチレンフォーム50mm+基礎底部分に押出ポリスチレンフォーム50mm以上) |
天井の断熱材はジェネラルグレードより厚くなっていますが、壁の厚みはジェネラルと変わりません。「高断熱仕様」と名付けられていても、壁の断熱材が薄すぎる状態は解消されておらず、名称から期待するほどの性能ではない点に注意が必要です。
天井の断熱が強化されても、壁からの熱損失が残るため、全体的な断熱性能としては限界があることを理解しておきましょう。
プレミアムグレード(次世代高断熱仕様)
プレミアムグレードの断熱仕様は次のとおりです。
| 屋根・天井断熱 | 高性能グラスウール16K 300mm |
| 壁(充填断熱) | 高性能グラスウール16K 250mm |
| 床 | 硬質ウレタンフォーム35mm または、 基礎内断熱(立ち上がり部分に押出ポリスチレンフォーム50mm+基礎底部分に押出ポリスチレンフォーム50mm以上) |
天井・壁ともに大幅に強化されており、このグレードを選ぶことで、ようやく他社のハウスメーカーと同水準の断熱性能に近づけます。
SINCEシリーズで建てるのであれば、プレミアムグレード一択です。初期費用は高くなりますが、長期的な光熱費の削減や住み心地の快適さを考えると、コスト以上の価値があると判断できるケースが多いでしょう。
なお、「シンセ・コード」という断熱性能が高いとされる商品パッケージがありますが、実態は完全注文住宅の「シンセ・スマートステージ」で断熱仕様を高く設定したものと同じです。名称が異なっていても、断熱仕様の内容で比較することが重要です。
トヨタホームの鉄骨軸組工法「エスパシオGT」の断熱仕様

画像引用元:GALLERY | 都市と暮らす。光と生きる。エスパシオGT(トヨタホーム)
エスパシオGTは東京都限定の商品で、SINCEシリーズとは異なる断熱仕様になっています。鉄骨軸組工法を採用しており、断熱材にはロックウールを使用しているのが特徴です。
ロックウールは耐火性・吸音性に優れた断熱材ですが、断熱性能を高めるにはある程度の厚みが必要です。
標準仕様・強化仕様の断熱材の厚さ
エスパシオGTの断熱仕様は次のとおりです。
| 箇所 | 標準仕様 | 強化仕様 |
| 天井断熱 | ロックウール210mm | ロックウール210mm(標準と同じ) |
| 壁(充填断熱) | ロックウール105mm | ロックウール160mm(標準より強化) |
| 床(基礎内断熱立ち上がり) | 押出ポリスチレンフォーム90mm | 押出ポリスチレンフォーム90mm以上(標準と同じ) |
標準仕様と強化仕様を比較すると、天井・床の断熱材は変わらず、壁のみが改善される形になっています。性能の向上幅は限定的であることを念頭に置いておくとよいでしょう。
強化できる範囲が限られている
エスパシオGTは強化仕様でも壁の断熱材が少し厚くなる程度で、選択できる強化の幅が限られています。SINCEシリーズのプレミアムグレードのように大幅な断熱強化ができるわけではなく、断熱性能を最優先したい場合には選択肢として向いていない可能性があります。
エスパシオGTを検討している場合は、断熱性能の限界を把握したうえで、全館空調などの設備との組み合わせで温熱環境を補う前提で考えるとよいでしょう。また、東京都限定の商品であるため、建てられるエリアが限られている点にも注意が必要です。
トヨタホームの気密性能

画像引用元:快適性もデザイン性も追求した、家族の笑顔がきらめく邸宅。(トヨタホーム)
断熱性能と並んで重要な気密性能についても確認しておきましょう。断熱性能がいくら高くても、気密性能が低ければ外気が室内に侵入して断熱効果が大幅に下がります。
断熱と気密は「セット」で考えることが、温熱環境を左右する重要なポイントです。
鉄骨造であるため気密性能は得意分野ではない
鉄骨は温度によって伸縮する素材であるうえ、ボルト接合部が存在するため、木造と比べて気密を取ることが難しい傾向があります。ただし、天井の配線周りや柱周辺、分電盤、配管・コンセント周りなど、目に見える範囲では標準でも気密施工が行われています。
気密性能が低いと、冬場に壁内結露が生じたり、外気が室内に侵入して冷暖房効率が下がったりするリスクがあります。断熱材の厚みとあわせて、気密性能についても事前に理解しておくことが大切です。
鉄骨造という構造的な特性上、完全に高気密を実現することは難しいため、その前提でどう対策するかを担当者と相談しながら検討することが求められます。
C値は2前後が目安とされている
トヨタホームでは気密測定自体を実施していません。過去の実績などから、C値は「2行けばいい方」とされており、木造の高気密住宅と比べると気密性能に差があることは否めません。
C値が高い(気密が低い)と、冷暖房の効率が下がり電気代が増えやすくなるだけでなく、温熱環境の快適性にも影響します。また、気密が低いと壁内結露のリスクも高まるため、建物の耐久性にも関わる重要な指標です。
気密性能を重視する方は、この点を踏まえて他社との比較も検討してみるとよいでしょう。
気密シートオプションなどカスタマイズで補える
SINCEシリーズには気密シートを張る施工方法の型式があり、オプションとして追加することで気密性能を向上させることができます。床下断熱の場合は床面への気密テープ処理を追加したり、ダウンライトに気密ボックスを設置したりするなど、地道なカスタマイズの組み合わせで気密性能を高める工夫が可能です。
ただし、これらは標準仕様には含まれていないため、トヨタホームで建てるなら気密シートオプションは必ずつけるようにしてください。「気密シートを入れてほしい」と明示的に伝えないと対応されないケースもあるため、打ち合わせの早い段階で担当者に要望を伝えておくことが重要です。
気密を高めることで、断熱性能とあわせた住み心地の向上が期待できます。また、気密性能を向上させることで結露リスクの低減にもつながるため、建物の長寿命化という観点からも重要な対策といえるでしょう。
トヨタホームの最新情報についてもっと詳しく知りたい方は、住宅系YouTuber「まかろにお」が運営するYouTubeチャンネル「まかろにお【工務店&ハウスメーカー攻略法】」のこちらの動画を参考にしてください。
トヨタホームの断熱性能についてよくある質問

最後に、トヨタホームの断熱性能についてよくある質問をまとめました。
トヨタホームの断熱等級は?
トヨタホームは標準仕様でZEH基準の断熱等級5をクリアしています。さらに「プレミアムグレード」などの次世代高断熱仕様を選択することで、より高い断熱等級6にも対応可能です。
断熱等級はプランや地域によって異なるため、実際に建てるプランで担当者に確認することをおすすめします。なお、断熱等級が上がるほど光熱費の削減効果も高まるため、初期費用との兼ね合いで総合的に判断するとよいでしょう。
より断熱性能が高いハウスメーカーはどこがある?
トヨタホームより断熱性能が高いハウスメーカーは複数存在します。
例えば、一条工務店は断熱材の厚みや気密性能で業界トップクラスとされており、積水ハウスやミサワホームも近年断熱仕様の強化に力を入れています。断熱性能を最優先したい場合は、こうしたメーカーとの比較も検討してみるとよいでしょう。
ただし、トヨタホームには保証の充実度・鉄骨ユニット工法による施工精度・メンテナンス対応力など、断熱性能以外の強みもあるため、総合的に判断することが大切です。
まとめ
トヨタホームの断熱性能は、ハウスメーカー全体で見ると高い部類には入らず、選ぶグレードや商品によって大きく異なります。SINCEシリーズの「ジェネラル」「コンフォート」グレードは断熱材が薄く、プレミアムグレードを選ぶことで初めて他社と同水準に近づけるとされています。
樹脂サッシが選べないという窓の制約や、気密測定を実施していないという点も事前に把握しておきたい情報です。気密シートオプションや気密テープ処理など、担当者に積極的に要望を伝えながらカスタマイズを組み合わせることで、住み心地を高めることができます。
断熱・気密性能だけを比較した場合、木造の高断熱メーカーに軍配が上がるケースが多いのは事実です。ただし、トヨタホームには保証の充実度・施工精度・デザイン性・メンテナンス対応力など、断熱性能以外にも多くの強みがあります。価格や保証面とのバランスを踏まえて、他社とも比較しながら検討していくことが、後悔のない家づくりにつながるでしょう。
トヨタホームの最新情報についてもっと詳しく知りたい方は、住宅系YouTuber「まかろにお」が運営するYouTubeチャンネル「まかろにお【工務店&ハウスメーカー攻略法】」のこちらの動画を参考にしてください。
また、チャンネル主のまかろにお本人が対応している公式LINEの無料相談もおすすめです。ハウスメーカーを選びきれない方や、他社と比較して迷っているという方はぜひお気軽に質問してみてください。

「メグリエ(MEGULIE)」では、実際に施主が建てた掲載事例から気になるものを選び、その施工を担当したハウスメーカー・営業担当者に相談することも可能です。担当者選びで失敗するようなケースを避けやすくなるので、ぜひお気軽にご相談ください。
なお、「MEGULIE(メグリエ)」を活用するメリット・デメリットについては、下記の動画で詳しく解説しています。
注文住宅は事前に勉強が欠かせません。さまざまなサービスを活用しながら正しい知識を身につけておきましょう。