今回は『注文住宅のこだわりポイント10選|予算オーバーしてでもお金をかけろ!』というテーマでお話をしていこうと思います。
家づくりは現実問題「お金をかけるだけかけて、いい家をつくってやる!」とはなかなかならないわけです。
人によっては住宅ローンをこれ以上借りられない、借りたくないという方もいると思うので、ある程度優先順位付けして仕様を選んでいくしかありません。
それは私も重々承知です。
ただそうは言っても、我慢ばかりの家づくりというのは楽しくありませんし、せっかくの注文住宅なわけなので、どこかしらこだわりたいですよね。
ある程度優先順位付けした上で家づくりを行っていく必要があるのではないかなと思うわけです。
ですので今回は、予算オーバーしてでもこだわりたい注文住宅のポイントを10個ほど紹介していきます。
この10個の中のどこに軸足を置いて、どれを採用するのか、これを考えてもらえればと思います。
ただ私の話を聞くと、恐らく多くの方が今からお伝えする10個全てを取り入れたくなってしまうと思います。
そのため、ある程度覚悟した上で本記事をお読みください。
注文住宅のこだわりポイント1:床材
床材は絶対にこだわってください。
それだけ床は我々に与える影響が大きいのです。
ではなぜ床がそこまで大きい影響力があるのかというと、それは理由として2つあります。
1つは床の面積が大きいからです。
考えてみれば当たり前の話ですが、床は家の全ての空間に敷き詰められているわけです。
そのため、床材の質感と床材の色味で家全体の雰囲気が決まると言っても過言ではありません。
ですので例えば、床材をチークという樹種にすれば、品のいい空間をつくることができますし
ウォールナットという樹種にすれば、引き締まった空間にできるわけです。
このような感じで、とにかく床材は面積が大きいので、使う素材の質と色味で部屋の雰囲気が大きく変わることになります。
そして床に大きい影響力がある2つ目の理由は、触り心地です。
世の中には
- インクジェットで木目を模したシートを合板に巻きつけてあるだけのシート系床材
- 本物の木を、厚さ0.3mm程度に薄くスライスし、それを合板に貼りつけた突板
- 本物の木を、厚さ2mm程度に薄くスライスし、それを合板に貼りつけた挽き板
- 全て本物の木でできた無垢床
これら4種類の床材があるのです。
そして無垢床以外の床材は、心なしか触った時の感覚がひんやりします。
特にハウスメーカー各社は床下断熱といって、床の下に断熱材を入れる施工方法を採用しているので、床下の断熱材が薄ければ、当然床材もひんやりするわけです。
今、ハウスメーカー各社は過渡期なので、床下の断熱材はそこまで厚く入っていません。
ですので床下の断熱材を厚く入れられるハウスメーカーなら、突板や挽き板でもいいと思いますが、そうでないなら念には念を入れて無垢床にしておいた方がよかったりもします。
ということで、床の面積が大きいということ、あとは触り心地、これら2つの理由があって、床には大きい影響力があるという話でした。
私が新卒だった時の話ですが、当時の私はお客さんの予算を超えてはいけないと思って営業をしていたので、シート系床材ばかり提案していました。
当時は床がどれだけ室内に影響を及ぼすかもわかっていなかったので、色味なども全てお客さん任せでした。
その結果、当時のシート系床材の安っぽさ、質感の悪さ、そういうのも相まって、本当に今でも思い返すと心が痛くなるような、そんな家になってしまったのです。
お客さん自体は予算内に収まってよかったと言ってはくれたのですが、もっとやり方があったのではないかなと今でも思っています。
そういう経験をした私だからこそ言います。
予算オーバーになったとしても、床材にはお金をかけてください。
注文住宅のこだわりポイント2:断熱材
これはもう今の時代マストです。
ハウスメーカー各社の標準の断熱性能はあまりにも低すぎます。
もちろん、全てのハウスメーカーがそうではないですが、標準で十分という考えでいると、間違いなく痛い目を見ることになります。
ただこの話をすると「どこどこのハウスメーカーは断熱等級6を取れるから大丈夫と言っていました。」「断熱等級6が取れればいいんでしょ?」というようなことを言う方もいるのですが、それは半分正解で半分不正解かなと私は思っています。
というのも、断熱等級は「6や7になっちゃった。」が正解なのです。
そもそも断熱等級はいわゆる、建物の保温力を表すUa値というもので表すのですが、これは開口部、つまりは窓の大きさによって数値がかなり変動するのです。
要は、窓を小さくするもしくは窓をなくせばUa値がよくなるということです。
しかし皆さん、想像してみてください。
いくらUa値がよくなっても、窓がない家や窓が建売のように小さい家は嫌ですよね?
せっかくなら注文住宅らしく大開口を設け、その上で断熱性能もいい家の方がいいですよね?
ですので、本来今の時代にあった正しい家づくりの手順は、まず断熱材を厚くすること、次に窓を強化すること、ここまで終えて計算してみた結果、「断熱等級6や7になっちゃった」が正解なのです。
断熱等級6や7を最初から目指しに行くのではないのです。
それだと手段と目的が逆転した家づくりになってしまうのです。
そのため「どこどこのハウスメーカーは断熱等級6取れるから大丈夫」ではないのです。
この辺り、本当に闇が深いのです。
今私が説明したことが理解できない、言っている意味がわからないという方は、相当やばいと思った方がいいです。
あおっているわけではなく、本当にやばいです。
少し危機感を持った方は、私が過去にアップした記事を見ていただき、勉強していただければと思います。
注文住宅のこだわりポイント3:窓
窓は室内に外の景色や光を取り入れるという意匠的な役割もある一方で、断熱としての役割も存在するのです。
ですので先ほどもお伝えしましたが、基本的に今の時代にあった家づくりをする際は、まずは断熱材を厚くすること、そしてその次に窓を強化することが重要になってくるわけです。
要は意匠ばかりに目を向けて、窓の性能をないがしろにしてはダメですよということです。
では、結論として何をどう選べばいいの?という話だと思うので、私なりの答えを先にお伝えすると、ガラスは基本的にトリプル推奨で、サッシつまり窓枠は、南面のメインはアルミ樹脂複合サッシ、それ以外の窓は樹脂サッシにする、というのがベストな選択だと思っています。
というのも、サッシ、つまりは窓枠部分とガラス面の面積に着目してください。
アルミ樹脂複合サッシの最大の特徴は、樹脂サッシと比較して大開口をつくれるという点です。
そしてその大開口というのは、サッシ部分の面積とガラス面の面積を比較した場合、圧倒的にガラス面の面積の方が大きくなるわけです。
そのため大開口をつくる場合は、サッシ部分よりも窓ガラスの方が断熱に大きく影響してくるのです。
ですので、窓ガラスをトリプルにして性能を上げることで、意匠性と断熱性の両立を図ることが可能になるわけです。
ただハウスメーカーの中には、性能の悪いアルミ樹脂複合サッシを普通に使っているメーカーもあるので、各ハウスメーカーのアルミ樹脂複合サッシがどのようなつくりになっているのか、この部分の掘り下げは必須になってくるのでご注意ください。
一方で南面の大開口以外の窓というのは、サイズ的にそこまで大きいものではありません。
サッシ部分とガラス部分の面積を比較すると、サッシ部分が占める面積の割合がかなり高くなるのです。
そのため、例えば主寝室や子ども部屋などにつける窓というのは、樹脂サッシにした方が断熱性能が高くなるわけです。
このような感じで、どこにどのくらいの大きさの窓をつけるのかを考えることで、それぞれの窓の適材適所の設置位置が何となく見えてくるようになります。
皆さんも迷ったら、南面の大開口はアルミ樹脂複合サッシにして、それ以外の窓に関しては全て樹脂サッシにする。
これをベースに窓選びをしてもらえればと思います。
ただしこの話をすると決まって「トリプルは窓が重たいので開け閉めするのが大変。だからやめた方がいい。」「アルミ樹脂複合サッシでも十分。」というようなことを言ってくる人が出てきます。
しかしそのような話は無視してください!
トリプルは確かに重いですが、開け閉めに苦労するほど重いわけではありません。
そもそも今の時代の家づくりは、気密断熱を高めて24時間換気で、窓を開けずにずっと換気するという家づくりになっています。
ですので窓を頻繁に開け閉めする前提がそもそもおかしいですし、年に数回開け閉めするくらいなら、窓が多少重くてもよくないですか?
あとアルミ樹脂複合サッシでも十分ということに関しては、何を根拠にアルミ樹脂複合サッシでも十分と言っているのですかね?
アルミ樹脂複合サッシは、外気と室温の温度差が20度の場合、室内の湿度が52%以上になると結露し始めるという特性があります。
つまり気密断熱を高めた家づくりをすればするほど、アルミ樹脂複合サッシは結露するリスクは増えるということです。
ちなみに樹脂サッシは、外気と室温の差が20度の場合、室内の湿度が73%以上になると結露し始めます。
つまり、気密断熱を高めれば高めた分だけ、樹脂サッシの方が有利になるということです。
この辺りを説明した上でアルミ樹脂複合サッシでも十分と言っているならわかりますが、根拠なしの大丈夫は大丈夫ではないのでご注意ください。
注文住宅のこだわりポイント4:太陽光発電
今の時代、太陽光発電を入れない人はいないと思いますが、中には予算に収めるために太陽光発電を外そうとする人もチラホラいます。
それは絶対にやめてください。
理由は「再生可能エネルギー発電促進賦課金」通称:再エネ賦課金と呼ばれる制度があるのですが、これが年々上がっているからです。
具体的にお伝えをするならこのような感じです。
要は何を言いたいのかというと、元々の通常の電気料金に加えて、さらに支払う電気代が増えているという話なのですが、これだけだと何のことかわからないと思うので、少し大枠からお話をしていきます。
実は2012年、国が太陽光発電や風力発電などでつくられた電気を一定期間買い取りますよという制度を開始しました。
これを「固定価格買取制度(=FIT制度)」というのですが、これだけ聞くと『太陽光を付ければ国からお金をもらえるんだ、ラッキー。』と思うと思います。
しかし実は、太陽光で発電した電気を固定価格で買い取るための原資が「再生可能エネルギー発電促進賦課金」通称:再エネ賦課金とよばれるもので、要は国は国民から集めたお金で太陽光が発電した電気を買い取っているのです。
ですので、太陽光をつければ国からお金が貰えるのではなく、感覚的には国からお金を取り戻している、というような感じなのです。
実際に再エネ賦課金は、電気を使用している人であれば法人・個人問わず、ほぼ全員が支払っているものになるので、皆さんもご自身の電気料金の明細書を見れば、再エネ賦課金がしっかり徴収されているのが確認できるはずです。
そしてその負担が年々増えてきている、というわけなのです。
そのような背景もありつつ、さらに電気料金自体も上がってきているというのが最近の傾向でもあるわけです。
ですのでなおのこと太陽光発電をつけた方が得というよりかは、むしろここまでくると、太陽光発電が自分達家族を金銭的に守る1つの手段になってくるようなイメージです。
太陽光発電は環境によくない、太陽光発電はリサイクルできない、とさんざん言われていますが、それはデマで、よくよく調べれば太陽光発電ほどコスパのいい投資はないというのがわかると思います。
皆さんも太陽光発電は必ずのせるようにしてください。
建物の大きさや形状によってのせられる太陽光発電に差はありますが、のせられるだけのせるのが今の時代、もっともベストな選択になります。
注文住宅のこだわりポイント5:蓄電池
蓄電池はできれば入れてください。
少し前までは「蓄電池の価格が落ちつくまで待ちましょう!その方がお得です。」というような流れだったのですが、電気料金の高騰が著しいため、そうも言っていられなくなりました。
しかも蓄電池は後々付けようと思うと配線工事に200万円くらいかかるのです。
それに加えて蓄電池の価格が加算されるわけなので、けっこうな出費になってしまいます。
ですので余計な出費を防ぐために、例えば最初に配線の工事をしてもらったり、最初から蓄電池を置くスペースをつくっておいてもらったりする必要があるのです。
ただし注意事項があって、蓄電池の種類は気にしてください。
これがどういうことかというと、蓄電池には特定負荷型と全負荷型の2種類の対応が存在します。
特定負荷型は『特定』というだけあって、指定した特定の部屋や家電製品のみに電気を供給できる蓄電池です。
災害や台風などで停電が起きても長く電気を利用できるというのが特徴で、停電などが起きても長く電気を使い続けたいという方向けの蓄電池です。
一方で全負荷型は『全負荷』というだけあって、家中の電気をカバーすることができます。
ですので、台風や地震などで停電が起きた際にも、日常生活と変わらず電気を使うことができるのです。
基本的には全負荷型一択なのですが、例えばこれを知らないで特定負荷型の蓄電池を入れてしまい、その後全負荷型の蓄電池を入れようと思っても、それは物が違うのでできないわけです。
ですので、なんでもいいから蓄電池を入れればいいやではなく、種類は気にしてください。
後々、配線工事に200万円くらいかけるのもばからしいので、できれば最初に蓄電池を入れるようにしてください。
注文住宅のこだわりポイント6:ハイドア
ハイドアに関しては今までお話ししてきたものと比較すると、大した金額増ではないです。
比較的取り入れやすいと思うので、もし好みが合えばぜひともハイドアを採用していただきたいと思います。
ただしハイドアについて説明する場合、そもそも建築におけるドアにはどういう特性があるのか、この事前知識がないと諸々判断できないと思います。
せっかくですので、大枠からお話をしていきます。
そもそもドアには枠ありのドアと枠なしのドア、この2種類が存在します。
それぞれ簡単に説明すると『枠あり』のドアの方が洋風建築よりのアイテムになります。
ですので、海外のようなオシャレでかわいらしい雰囲気の内装をつくりたい場合にはドアの枠、つまりはモールディングが役立ってくるわけです。
実際に画像のような感じで洋風の家をつくるのであれば、窓枠を通常よりもより厚くしてあげると、いい感じの洋風テイストになります。
こういう装飾がたくさん施されている洋風の建築を『足し算の建築』と言ったりします。
ただし一方で『枠なし』のドアに関しては、当然枠がないのでモールディングと呼べるものがありません。
ですので日本風の建築をする場合には、先ほどの巾木と同様に、窓枠も消した方がスッキリした空間に仕上げられるのです。
具体例を出すならこのような感じです。
先ほどと違って扉に余計な装飾がないのでスッキリしていますよね。
これが日本風の建築である『引き算の建築』になります。
ですので、室内をきれいに仕上げるためには、洋風に寄せて枠ありのドアを選ぶのか、それとも日本風に寄せて枠なしのドアを選ぶのか、ここをまず決める必要があります。
皆さんはどちらがお好みでしょうか?
そしてここで日本風に寄せることを選択した人は、ハイドアを使うことでさらに空間をスッキリ仕上げることが可能になります。
ハイドアというのは、天井まで高さのあるドアのこと言います。
そのまんまですが、このハイドアを使うことで実は扉の存在感をなくすことができるのです。
これは設計図を書いたことがある人でしたら皆さん共感していただける部分だと思うのですが、例えば左の画像では横のラインが天井、床、ドア上部で3つあります。
しかし右のハイドアの画像では横のラインが天井と床部分の2つしかありません。
一見すると大した差ではないように感じるかもしれませんが、このような感じでハイドアを採用することによって『無駄な横のライン』をなくすことができるのです。
結果、扉の存在感をなくして、空間に繋がりをもたせることができます。
実際に私も昔はよく図面をひいていたので、こういった横のラインに関してはけっこう気にして製図していました。
そんなことはさておいて、とにかくハイドアを採用することで、さらに空間をスッキリ仕上げることが可能になりますというお話でした。
ただしハイドアは採用しようとすると、コストが高くなります。
というのも、通常のドアに比べてハイドアはそれ自体の高さが高く大きいので、当然その分、金額が上がります。
さらに一部だけハイドアで、一部だけ通常のドアにしてしまうと、ドア同士の高さが合わず、チグハグな内装になってしまいます。
わかりやすくお伝えするのであれば、例えばこのような感じです。
それぞれの扉の高さがバラバラなので、なんとも不格好ですよね。
ハイドアを採用した場合、他のドアも高さをそろえるためにハイドアにしなければならなくなるのです。
結果、さらにコストが上がるわけです。
これがデメリットになります。
これに関してはコストを見ながら1、2階全てハイドアにするのか、それとも1階だけハイドアにして、2階は通常のドアにするのか、これを選んでいただければと思います。
ここまでの話をまとめると、内装の雰囲気を決める時にやることは、まずは洋風のデザインにするために枠ありのドアを選ぶのか、それとも日本風のデザインにするために枠なしのドアを選ぶのか、これを決めます。
そして日本風のデザインにするために枠なしのドアを採用することを選んだ場合、さらにそこから通常の高さのドアにするのか、それともハイドアにするのかを選ぶようにしましょう。
ただし、ハイドアにした方がきれいでおしゃれな空間をつくりやすいです。
またコストが上がるとはいえ、他のものと比較しても、そこまで金額が爆増するわけでもないので、基本的にドアはハイドアを選択することをおすすめします。
注文住宅のこだわりポイント7:扉の取手
「ハイドアを採用するのは厳しいし、もっと手軽にオシャレな内装をつくる方法はないの?」と思われている方もいるかもしれないので、そういう方に特におすすめなのが扉の取手にこだわることです。
実は扉の取手は例えるなら、ファッションでいうところの靴のようなものなのです。
そのため、取手がおしゃれになるだけで室内空間が一気にいい感じになるのです。
例えばこのような感じです。
普段そこまで気にしない部分だと思いますが、取手が重厚かつ質感のいいものですと、どことなく高級な感じが漂ってきます。
予算に余裕がある方はもちろんですが、予算が厳しい方でも多少のコストアップで済むので、扉の取手部分はきちんと選ぶようにしましょう。
注文住宅のこだわりポイント8 :室内の壁材
この部分は正直、金額が爆上がりする部分です。
室内の壁は施工面積が大きいため、それに合わせて金額が跳ね上がるからです。
ですので、優先順位的には低いかもしれません。
ただしやって損はないので、できることなら取り入れるべきです。
では、具体的に室内の壁材には何を採用すればいいのかというと、個人的には調湿・消臭機能がある
- 漆喰
- 珪藻土
- 中霧島壁
これらの塗壁がおすすめです。
というのも、どれも自然素材なので、質感が非常にいいです。
ですので、採用すればそれだけで室内の意匠性が一気に上がります。
また調湿、消臭効果もあるので、ビニールクロスの室内と比較をすると空気がよく、スッと肺の中に入ってくる感覚があるのです。
実際に私の家は全面中霧島壁なのですが、他の家と比較をすると本当に空気の質が違います。
意匠的にも機能的にも優れた家をつくるのであれば、室内の壁材にはこだわるようにしてください。
ただし、ここでも注意点が存在します。
世の中には「自称:調湿性のある建材」というのが多く出回っています。
要は、本当は調湿機能がないのに調湿機能があると言って売り出している建材があるということです。
せっかく高いお金を出したのに実際は調湿効果がなかったとなったら最悪ですよね。
では、調湿性があるかないかをどのように見分けるのかというと、JIS A6909という試験方法を通しているかどうかで見極めます。
この試験は、1m²に塗り広げられた試験体が、24時間の間に何gの水蒸気を吸収する力があるかを測定し、その後のまた24時間で、何gの水蒸気を吐き出すかを測定して、最終的にその建材の調湿能力を決定する試験です。
これはけっこう厳しい試験で、この試験をやっている建材は少ないのです。
この試験を通している建材はそれ自体が宣伝材料になるため、大体HPで『うちの建材はJIS A6909を通しています』と書いてあります。
ですので、塗壁材を選ぶ際は1つの判断基準として、JIS A6909を通しているかどうか、これを調べてみてください。
私のおすすめの塗壁材は中霧島壁と漆喰くるむです。
企業案件などではなく、両方ともすばらしい建材なので、気になる方は調べてみてください。
注文住宅のこだわりポイント9:巾木
『巾木』とは、床と壁の境目に取り付けられる部材のことを言います。
これがあることによって、掃除機が壁に当たった時に傷から壁を守る、あとは床と壁の隙間を埋めるという役割があるのです。
ただこの『巾木』という部材、実はかなり目立ちます。
それもそのはずで、巾木と巾木に接している床と壁紙、これら3つの質感は当然のことながら、違うのです。
ですので下手な巾木を選ぶと、床と壁の境目に取り付けられる『巾木』が浮いてしまいます。
わかりやすいように具体例を交えてお話をすると、例えばこちらの画像をご覧ください。
床、壁紙、巾木、それぞれの質感が違うため、巾木の色合いが浮いていることがわかると思います。
続いてこちらの画像をご覧ください。
今度は巾木の色を壁紙と同系色にしてみた部屋の場合です。
さきほどに比べてだいぶスッキリとした印象になっていると思います。
このような感じで、巾木のあるなしで、その部屋に与える印象が大きく変わります。
それにも関わらず『巾木』は軽視されがちなのです。
なぜならシンプルに施工に手間がかかる分、施工料が高いからです。
ただし、きれいな建築をつくる上で非常に重要な部分ですし、巾木を目立たせないように施工することで、本来巾木の上にたまる埃、この掃除もなくすことができます。
わかる人にはわかりますが、巾木の上の掃除は地味に大変です。
ましてや戸建は賃貸と比べると面積が大きいので、それに伴って掃除する巾木も増えるわけです。
価格が多少高くなったとしても、見た目がよくなり、さらに掃除する場所も減らせるので、実はコスパが非常にいいのです。
こちらもできれば取り入れていただきたい部分です。
注文住宅のこだわりポイント10:間接照明
照明が空間の良し悪しに大きな影響を与えるということは、今更説明するまでもないかなと思います。
ただそれにも関わらず、コストが気になってダウンライトをたくさんつけてしまう方がとても多いです。
ですので例えば、天井が穴だらけの住宅はけっこう存在しますが、これは美しくないですし、ただただ眩しいだけで、居心地もあまりよくないわけです。
照明は一見すると簡単そうですが、実は非常に奥深くて、一番慎重に考えなければいけない部分です。
では、どのように考えればいいんだ?という話だと思うのですが、照明は、適光・適所・適時、この3つの要素を分解して、それぞれの役割に応じて照明計画をつくるのです。
よりわかりやすく言い換えるのであれば、「見せる光」と「使う光」を分けるという話なのですが、例えばダイニング。
ダイニングは主にご飯を食べるところなので「使う光」になります。
これを前提に、適光・適所・適時を考えて照明計画をつくっていくという感じです。
またリビングに関しては間取りによりますが、「見せる光」と「使う光」のバランスが重要になってくることがほとんどです。
ですので図面を見ながら、それぞれの適光・適所・適時、これらをバランスよく配置していくイメージです。
これでもけっこう噛み砕いて説明している方ですが、なかなか難しいですよね。
私が皆さんに伝えたかったのは要はそういうことで、照明計画はそんなに簡単にパパパっとつくれるものではないのです。
また考えれば考えた分だけ、当然、それ相応の照明が必要になってきて、そこに意匠性を加えようとすると、どうしても間接照明の割合が多くなります。
結果としてコストも上がってしまうわけです。
あまりこだわりがないよという方は適当な照明計画でもいいと思いますが、最初にもお話しした通りで、照明は空間の良し悪しに大きな影響を与えます。
ですので多少コストが上がっても必要経費だと思い、なるべくしっかりと計画するようにしてください。
注文住宅のこだわりポイント10選のまとめ
今回は『注文住宅のこだわりポイント10選|予算オーバーしてでもお金をかけろ!』というテーマでお話をしてきました。
最近、100年持つ家と、100年住みたい家は別だなと思います。
これ、なかなか真を捉えた一言なのではないでしょうか。
今回の内容をぜひとも参考にしてみてください。
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