今回は『【2024年最新】セキスイハイムの特徴10選〜すべてがわかる!〜』というテーマでお話をしていきます。
セキスイハイムは『あったかハイム』のCMで有名なハウスメーカーです。
皆さんも一度は聞いたことのあるハウスメーカーだとは思うのですが、具体的にセキスイハイムがどのようなハウスメーカーなのかはよくわからないですよね。
もちろん、ネットで調べればそれなりに情報が出てくるので、なんとなくはわかるかもしれませんが、あくまでなんとなくという感じだと思います。
また、実際に住宅展示場に行ったり、あるいは各ハウスメーカーに資料請求をしたりすると、勝手に担当者がついて固定化されてしまうのがこの業界です。
皆さん、自分の担当営業マンや担当設計士がダメダメな人だったら嫌ですよね?
そのため「うかつに動くこともできないし、どうすればいいんだ!!」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
ですので、今回は私がセキスイハイムの良い面も悪い面も、忖度なくすべてお話をしていきます。
これから家づくりをされる方で、
- セキスイハイムってどんな会社なのか知りたい
- セキスイハイムを検討する上で注意するべきことは何かを知りたい
- 誰も知らないような情報をコッソリと教えてほしい
これらに該当する方はぜひとも最後までお読みください。
- セキスイハイムの特徴1:積水ハウスとはつくっている家の方向性が異なる
- セキスイハイムの特徴2:鉄骨系商品と木質系商品がある
- セキスイハイムの特徴3:鉄骨ユニット工法を採用している
- セキスイハイムの特徴4:ユニット工法はデメリットが多い
- セキスイハイムの特徴5:木質系商品もユニット工法を採用している
- セキスイハイムの特徴6:全館空調「快適エアリーT-SAS」
- セキスイハイムの特徴7:磁器タイル
- セキスイハイムの特徴8:鉄骨メーカーでは珍しく樹脂サッシを採用できる
- セキスイハイムの特徴9:建物を大きくした方が得の場合がある
- セキスイハイムの特徴10:大手ハウスメーカーの中では価格を抑えられている
- 【2024年最新】セキスイハイムの特徴10選〜すべてがわかる!〜のまとめ
セキスイハイムの特徴1:積水ハウスとはつくっている家の方向性が異なる
『完全に別会社』
セキスイハイムと似たようなハウスメーカーに『積水ハウス』というハウスメーカーがあります。
両社とも『積水』がついているため、人によっては「何が違うんだろう?」「もしかしたら同じ会社が出している別ブランドなのかな?」と、様々な疑問が浮かんでくるかと思います。
私も最初はそう思っていました。
ただ実際のところはどうなのかというと、セキスイハイムと積水ハウスは完全な別会社となります。
具体的には、積水化学工業の住宅部門が独立するということで始まったのが積水ハウスで、その後積水化学工業で再度立ち上げられた住宅部門が今のセキスイハイムになります。
つまり元を辿ると一緒の会社なのですが、今は完全に別の会社になっているということです。
そのため、販売している商品も、セキスイハイムと積水ハウスとでは系統が全く異なっているのです。
両社の違いを簡単に言い表すと、セキスイハイムが機能主義なのに対して、積水ハウスが商業主義といった感じです。
これはわかる人にはわかると思いますが、それぞれ簡単に一言で言い表すと、機能主義というのは効率重視の生産・販売をする方法のことで、商業主義というのは、世の中のニーズに合わせて商品を生産・販売する方法のことを言います。
というのも、少し歴史の話になるのですが、1908年にヘンリー・フォードという人が、当時革新的だったベルトコンベアや流れ作業という仕組みを取り入れて、自動車の大量生産を開始します。
それによってできたのがT型フォードです。
T型フォードの登場によって、当時、上流階級のものだった自動車が一般大衆に普及することになるわけですが、この車は20年近く同じ形で、しかも黒一色のみの販売だったのです。
では、なぜ黒一色だったのかというと、車に塗る塗料の乾きが早かったからです。
このように工場を使って生産効率を上げて、大量にそして安く売る仕組みを商業主義と言います。
一方で、当時のT型フォードの販売状況を見ていたアルフレッド・スローンという人は、
同じ形で、しかも同じ黒一色の車を売り続けることに対して疑問に思い、まずは庶民にはシボレー、富裕層にはキャデラックといった感じで、ターゲットに合わせてデザインを使い分けたのです。
さらにカラーも複数用意して、T型フォードとの差別化を図りました。
このような感じで、ニーズに合わせて売れる商品をつくるというこの考え方を商業主義と言うわけです。
このあと説明するのですが、セキスイハイムは、工場で家のほとんどのパーツをつくり上げるのです。
それを現場に搬入して最小限の労力で家の組み立てを行うわけですが、家づくりの精度や効率が上がる一方で、どの家もどうしても決まった建物の形状になりやすいわけです。
この考え方は、ヘンリー・フォードの機能主義そのものです。
一方で積水ハウスは、お客さんのニーズに合わせて様々な提案を行っていくので、セキスイハイムと比較したら、決まった建物の形状になりにくいのです。
まさにアルフレッド・スローンの商業主義です。
機能主義と商業主義、どちらが正しくて、どちらが間違っているという話ではないのですが、とにもかくにも、ここで皆さんにお伝えしたかったのは、セキスイハイムと積水ハウスは完全な別会社であり、さらにそれぞれの企業が目指している方向性は大きく異なるということです。
同じ積水だからと混同しないようにしましょう。
セキスイハイムの特徴2:鉄骨系商品と木質系商品がある
『木質系に集まる注目』
セキスイハイムには鉄骨系商品と木質系商品の2種類があり、そのどちらかを選んで家づくりをすることになります。
ただセキスイハイムといえば鉄骨というイメージが強いこともあって、8割型鉄骨系商品が選ばれるというのが実情です。
正直、木質の商品は「一応あるよ!」くらいのおまけ商品感が否めず、他にも諸々の理由があって、木質系商品はほとんど選ばれていないというのが正直な状況でした。
しかし、ここに来てセキスイハイムは、木質系の商品に少し力を入れ始めました。
というのも、去年の10月にセキスイハイムは木質系住宅『グランツーユー平屋 つながる暮らし』という商品を発売したのです。
先ほど、セキスイハイムで検討される方は8割型鉄骨系商品を選ばれるという話をしたと思いますが、実は郊外では木質系の商品の方が人気だったりするのです。
理由はシンプルに、木質商品の方が断熱性能がいいからです。
それにそもそもの話として、郊外で家を建てるなら、わざわざ鉄骨住宅を選ぶ必要性もあまりありません。
ですので、都心部から離れると、木質系の商品に需要が出てくるわけなのですが、今回は満を持して、木質系の新商品となる平屋を発売したわけです。
こちらの商品は、
- 最近流行りの室内と室外を繋げるような提案ができるようになった
- 軒を最大で2.8mまで伸ばせるような仕様になっている
という特徴があります。
完全に昨今のSNSのトレンドに合わせて出してきた商品という感じです。
一度は木質系商品を捨てそうな雰囲気だったのですが、このような感じで、最近はセキスイハイム側も木質系商品に力を入れてきているので、皆さんもセキスイハイムで検討する場合は、フラットな目線で鉄骨にするのか、それとも木質にするのかを決めていただければと思います。
セキスイハイムの特徴3:鉄骨ユニット工法を採用している
『鉄の箱が宙に浮く』
セキスイハイムの鉄骨系商品は、ユニット工法と呼ばれる鉄の箱と鉄の箱を組み合わせて家をつくる方法を採用しています。
そしてこの方法で家をつくることで得られるメリットは、大きく分けて2つあります。
ユニット工法のメリット1:施工の安定性
1つ目は『施工の安定性』です。
ユニット工法で家をつくる場合、約8割が工場で生産されます。
その後、できたパーツを現場で組み立てるという方式です。
そのため、工期も業界最速で、建物の基礎が完成してからおよそ2ヶ月で家が完成します。
これにより、職人の腕によって家の出来が左右されることがなくなるため、高品質で均一な質の家をつくることができるのです。
さらに工期も短いため、建て替えの場合は仮住まい先に支払う家賃負担を少ない金額ですませられますし、フラット35でローンを借りる場合は、つなぎ融資の金利も多く払わずにすみます。
これが1つ目のユニット工法から得られるメリットになります。
ユニット工法のメリット2:構造躯体の強度が高い
そして2つ目が『構造躯体の強度が高い』ということです。
これはセキスイハイムを語る上で、どうしても外せない部分です。
ですので、大枠からきちんと説明していきます。
ハイブリッド耐震「GAIASS(ガイアス)」の概要
そもそもセキスイハイムの構造躯体は、巨大地震は構造躯体で守り、中小規模の地震は外壁で守るという住み分けがされているのです。
そして外壁と構造躯体、双方の効果によって地震から家を守る仕組みを、セキスイハイムでは『ハイブリッド耐震「GAIASS(ガイアス)」』とよんでいるのです。
つまり簡単に一言でまとめると『構造躯体×外壁=GAIASS(ガイアス)』だということです。
ではなぜそのような仕組みになっているのかというと、それは構造躯体本体だけでは事足らない部分があるからです。
これがどういうことかというと、実は鉄でできた建物は、地震が起こると揺れるのです。
そして揺れることによって、その地震のエネルギーを逃そうとする性質があります。
ですので鉄骨造の家に住む以上、ある程度の「揺れ」は覚悟しなければなりません。
ただし、ここで揺れの規模に着目してみてください。
例えば東北地方太平洋沖地震のような大規模地震であれば、住宅の倒壊や損傷を免れることが重要です。
そのため、ある程度の建物の「揺れ」は仕方ないで済まされると思います。
しかし、中規模程度の地震で住宅が必要以上に揺れるとなると、クロスなどの内装関係の損傷や、インテリアへのダメージが気になってきます。
特に地震には周波というものがあります。
その周波の伝わり方によって、鉄骨住宅は中規模地震でも大きな揺れに感じることがあるのです。
ですので、鉄骨住宅に住む場合は油断できないのです。
つまり、すべての地震エネルギーをユニットのみで対応させることは、揺れによる内装へのダメージを考えると、あまりにもリスクが大きいということです。
そのため、外壁である程度の地震波を受け止め、受け止めきれなかった地震エネルギーは強力な構造躯体で対応する、この住み分けが必要であり、『構造躯体×外壁=GAIASS(ガイアス)』という考え方がセキスイハイムの家づくりのベースを形成しているわけです。
では、今度はさらに深掘りして、ハイブリッド耐震「GAIASS(ガイアス)」を構成している「構造躯体」と「外壁」それぞれをより詳しく見ていきましょう。
ハイブリッド耐震「GAIASS(ガイアス)」を構成する構造躯体
まずは構造躯体です。
これは冒頭でも説明したように、ユニット工法とよばれるものでつくられており、鉄の箱と鉄の箱を組み合わせてつくるつくり方になります。
そしてこの構造躯体の特徴は、
- 60kgの人間が800人乗っても耐えられる強度がある
- 塗装が140年持つ
この2つになります。
順を追って説明していきます。
60kgの人間が800人乗っても耐えられる強度がある
まずは『60kgの人間が800人乗っても耐えられる強度がある』ということについてです。
実はセキスイハイムのユニットは『スポット溶接』と呼ばれる特殊な溶接が行われます。
これをすることで、1箇所あたり40knの強度が出るとされています。
それが1つのユニットに平均12箇所行われるのです。
ただこの説明ですと、すごいのかイマイチわからないと思うので、わかりやすく例えると、40knは約4tの重みを支えることができるということです。
つまりそれが12箇所なわけなので、単純に1つのユニットで48tの重さに耐えられるという計算になります。
これは60kgの人間が800人、4,000kgのゾウが12頭乗っても耐えられる強度がセキスイハイムのユニットにはあるということなのです。
このように聞くと、いかにセキスイハイムのユニット構造が強力なのかがイメージできるのではないでしょうか。
実際にセキスイハイムでは『ユニット落下実験』なるものをやっていて、高さ5mのところからユニットを落とすということもやっています。
セキスイハイムのユニットが本当に強いのかどうかを自分の目で確かめたいという方は、一度工場見学に行ってみるといいかもしれません。
その他にも適材適所に鉄骨を加工して配置しているので、縦の柱に使用される100mm角の鉄骨の柱は、1本で4tもの重さに耐えられるものが使われていたり、床梁と天井梁には、たわみの生じにくいC型形状の鋼管が使用されていたりするのです。
セキスイハイムの構造躯体は、とにかく強度にこだわってつくられているのです。
これが1つ目の特徴です。
塗装が140年持つ高耐食メッキ(ZAMメッキ)を採用
続いて2つ目、『塗装が140年持つ』ということについてです。
セキスイハイムの鉄骨には、すべてに「ZAMメッキ」といわれる防錆処理がされています。
この防錆処理は傷に強く、万が一鉄骨に傷がついても自らの自然治癒能力で修復するという驚きのメッキ処理なのです。
ですので例えば、施工現場で工事中に鉄骨に傷が入ってしまったとしても自動で修復してくれるので、錆びる心配がありません。
これは安心ですよね。
一応仕組みとしては、ZAMメッキに傷がつくと、マグネシウムとアルミニウムの効果により傷付近のメッキ層が酸化して溶け出し、保護皮膜を形成するという仕組みです。
少し難しい話なので、とにかく「自動で傷を補修してくれるメッキを使っている」とさえ覚えてもらえれば大丈夫です。
これによりZAMメッキ鋼材の平均耐用年数は、屋内環境において推定約140年といわれています。
これが特徴の2つ目になります。
ということで
- 60kgの人間が800人乗っても耐えられる強度がある
- 塗装が140年持つ
これがセキスイハイムの鉄骨系商品の構造躯体であるユニットの特徴になります。
ハイブリッド耐震「GAIASS」を構成する外壁
続いて外壁です。
外壁は、高性能外壁とよばれる鉄製フレームに、下地パネルとタイルを貼りつけた壁を構造躯体に設置しています。
ただし、この壁は直接構造躯体に取りつけられるわけではなく、「スプリングジョイント」という鉄製クッションを挟んで取りつけられます。
そうすることで、鉄製フレームが受けた衝撃をスプリングジョイントで吸収し、吸収しきれなかった力を構造躯体で吸収するという『ハイブリッド耐震「GAIASS(ガイアス)」』をつくり上げられるのです。
この高性能外壁とスプリングジョイントの仕組みが、セキスイハイム独自の外壁構造なのです。
説明すると非常にシンプルですが、中小地震の揺れを軽減してくれるセキスイハイムの重要な核になるのです。
以上が『ハイブリッド耐震「GAIASS(ガイアス)」』を構成している『構造躯体』と『外壁』それぞれの特徴で、セキスイハイムの構造躯体の強度が高い理由になります。
ここまでの話を1回まとめると、セキスイハイムのユニット工法のメリットは
- 施工の安定性
- 構造躯体の強度が高い
この2つです。
そして、その中で構造躯体の強度を出しているのが、ユニットという鉄の箱と特殊な外壁を組み合わせた、通称GAIASS(ガイアス)だという話でした。
このつくり方がすべての鉄骨系商品のベースとなっており、
- フラット屋根が特徴のパルフェ
- 自由度が下がるが価格が抑えられたパルフェBJスタイル
- 屋根に勾配があり、小屋裏をつくれるドマーニ
- フラット屋根+深い軒が特徴のスマートパワーステーションFX
- 勾配屋根+深い軒が特徴のスマートパワーステーションGR
- 地域によっては例外があるものの、基本的には外壁タイルの磁器タイルが選べなくなり、自由度も少し下がるが価格も抑えられたスマートパワーステーションFX Urban
- 蓄電器太陽光パネルとヘムスを採用しエネルギー自給率を6割から7割にできるグリーンモデル
- 屋上を利用した生活が魅力のスマートパワーステーションFX plus
- 3階建専用デシオ
これらの商品ラインナップがあるのです。
セキスイハイムの構造躯体は施工精度が非常に高く、そして強固なつくりになっています。
ですので家の性能を優先するという方には、セキスイハイムの家はピッタリです。
これらはセキスイハイムを検討する上で非常に重要なベースの知識になります。
ぜひとも覚えておいてください。
セキスイハイムの特徴4:ユニット工法はデメリットが多い
『間取りの自由度は、あまりない』
先ほどセキスイハイムの鉄骨造のすごさについて説明してきましたが、実は他のメーカーに比べて大きく劣るところがあるのです。
これはセキスイハイムで注文住宅を建てる上で絶対に知っておかなければならないことですし、知らないと後々後悔する原因にもなります。
ですので、ここからはセキスイハイムのデメリットについてお話をします。
セキスイハイムのデメリットは、簡単に一言で言うと『プランの自由度が他のメーカーに比べて低い』ということです。
これがどういうことなのか、3つのデメリットに分けて説明します。
ユニット工法のデメリット1:工場生産がゆえに臨機応変さがない
まず1つ目のデメリットが『工場生産がゆえに臨機応変さがない』ということです。
というのも、ユニットで家をつくる場合、ある程度決められた種類や決められた寸法で規格化された部材の中から家をつくることになるわけです。
ですので例えば、階段は基本的に決められた規格の中から選ぶことになるので、臨機応変に階段の勾配をいじることができません。
やるなら特注で対応する必要が出てきます。
また、無垢床に関しても選べるものと選べないものがあるので、その辺りも制約を受けます。
どの部材は使えて、どの部材が使えないのか、また変更できるのはどの部分で、どの部分は変更できないのか、詳しく聞いておかなければ後々「こんなはずじゃなかった。」となってしまいやすいというのは、セキスイハイムならではの落とし穴です。
ユニット工法のデメリット2:間取りの小回りが効かず、場合によってはコスパが悪い
続いて2つ目のデメリットは『間取りの小回りが効かず、場合によってはコスパが悪い』ということです。
ユニット工法の特性上、鉄の箱をいかに少ない数で家を建てるのかが、安く仕上げるコツになります。
ですので例えば、小さなユニットを8個使って30坪の家を建てるより、大きなユニット3個で30坪の家を建てた方が、金額が安くなるということです。
これだけ聞くと『安く仕上がるならいいじゃん!』と思われる方もいるかもしれませんが、実はそんな単純な問題ではありません。
なぜなら、ジャストサイズの間取りを提案しにくいからです。
というのも、大きめのユニットを使えば安く仕上がるものの、無駄に廊下が広くなったり、トイレがやたら大きくなったりと、その他にも空間に無駄な部分が出やすくなるのです。
またその逆で、小さめのユニットを使えば今度は小回りが効きやすくなるものの、使う鉄骨の箱が増えるので金額が上がります。
さらに鉄骨の箱が集まった部分にできる柱の束、この数も多くなるのですが、柱の束を無くすためには、さらに追加で工事費用がかかるのです。
何よりこの後話す間取りの制約をものすごく受けてしまいます。
ですので、ユニットの数を多く使うのは、とにかくコスパが悪いのです。
こういった理由から、ユニット工法は『間取りの小回りが効かず、場合によってはコスパが悪い』わけです。
ユニット工法のデメリット3:間取りに制約がある
そして最後のデメリットが『間取りに制約がある』ということです。
実はユニットで家をつくる場合、階段と水回りはユニットをまたいではいけないというルールがあるのです。
これはイメージしてもらえれば誰でもわかるのですが、鉄の箱と鉄の箱が組み合わさった部分には『梁』とよばれる、横方向の柱の束が存在します。
この『梁』を貫通させることができないので、例えばトイレやお風呂は配管の都合上、この梁を避けるように設置しなければならないわけです。
階段も同様で、変な位置に階段を設置してしまうと、階段を上がっている途中に梁が出てきて頭をぶつける、もしくは2階に上がれない間取りが完成してしまうのです。
ですので、ユニットで家をつくる時は『階段と水回りはユニットをまたいではいけない』というルールが存在するのです。
考えてみれば誰でもわかることですが、それでも言われないと気がつかないポイントかと思います。
ということで
- 工場生産ゆえに臨機応変さがない
- 間取りの小回りが効かず、場合によってはコスパが悪い
- 間取りに制約がある
大きく分けてこれらの3つのデメリットがどうしても出てきてしまうのがユニット住宅です。
あとは、
- 外観がどうしても箱っぽくなる
- ユニットの配置によっては、やたらベランダが大きくなる
というちょっとしたデメリットもあります。
ですのでこれらを一言でまとめると『プランの自由度が他のメーカーに比べて低い』ということです。
これは悪口でもなんでもなく、ユニット工法で家づくりをする場合に必ずぶち当たる壁になります。
回避する裏技もないので、ありのままを受け入れるようにしましょう。
セキスイハイムの特徴5:木質系商品もユニット工法を採用している
『クレーンで吊り下げる時にミシミシいう』
セキスイハイムの木質系商品は、グランツーユーファイブという商品になります。
そしてこの商品は、予算は厳しいが、いいものをなるべく安く手に入れたいという意向が強い若い子育て層をメインターゲットとして開発された商品なのです。
特徴としては2×6 (ツーバイシックス)とよばれる38mm×140mmの木材を使って木の箱のユニットを形成して家づくりをするということで、鉄骨の商品同様に現場での施工工数を削減し、精度の高い家づくりができるのが強みです。
先ほども少し触れましたが、グランツーユーファイブの方が断熱性能や気密性能を取りやすいため、郊外で人気の商品なのです。
ただし、このグランツーユーファイブという商品は、恐らく大手ハウスメーカーの中で一番プランの自由度がありません。
なぜなら、先ほどお話した鉄骨ユニット工法の諸々の制限にプラスして、さらに耐力壁を考慮して間取りをつくらなければならないからです。
これがどういうことかというと、例えば鉄骨ユニット工法であれば、4つのユニットを配置した場合、特に余計な壁が出てくることなく、大きな鉄骨の枠の中で間取りをつくれます。
また、鉄骨の箱が重なることによって出てくる真ん中の鉄骨の柱も場合によっては抜くことが可能なので、余計な壁が出てきて間取りが制限されるというようなことは比較的少ないのです。
ただしグランツーユーファイブの場合は、ユニットが集合した時に出てくる真ん中の柱、これは簡単になくせるものの、その代わり、上部に梁が出てきます。
具体的にはこのような感じです。
さらに1つの耐力壁線上に1/4以上の壁が必要というルールが存在するのですが、これは簡単にお伝えをすると、縦でも横でも3.64mの幅を取るためには91cmの壁が必要というものです。
この辺りの詳細な説明は具体的なプランニング方法の話になってきてしまうので割愛しますが、とにかくユニット工法ならではの制限と、耐力壁によるルールの制限がある中で間取りをつくらなければならないわけです。
また最近では、吹き抜けがほとんどできないようなルールの制限が追加されたり、大屋根の仕様が廃止されたりと、さらにプランのルール制限が増えてきています。
大手ハウスメーカーの中で一番プランの自由度がないというのは、こういった理由があるからなのです。
実は、グランツーユーファイブのプランが書けない、理解できていない営業マンが多いのも事実なので、私はてっきり、セキスイハイムはグランツーユーファイブを捨てるのかなと思っていたのですが、平屋の新商品を出しているところを見ると、どうやら風向きが変わったようです。
とにかくセキスイハイムのグランツーユーファイブは、あくまで、予算は厳しいが、いいものをなるべく安く手に入れたいという意向が強い若い子育て層をメインターゲットとして開発された商品だということは覚えておいてください。
あとグランツーユーファイブで家を建てる場合は、一度施工現場を見ておくことをおすすめします。
見るとわかるのですが、木のユニットを釣り上げる時に、けっこうミシミシと音が鳴るのです。
大丈夫なのはわかっているのですが、少し不安になります。
心の準備をするという意味でも、ぜひとも一度施工現場を見るようにしましょう。
セキスイハイムの特徴6:全館空調「快適エアリーT-SAS」
『全館空調のパイオニア』
快適エアリーT-SASとは簡単に説明をすると
- エアコン機能
- 換気機能
- 空気清浄機機能
- 抗ウィルス機能
これらを1つにまとめた全館空調です。
「セキスイハイムといったらコレ!」というくらい有名な設備です。
ただこの説明だけですと、なんだかぼやっとしているので、少し深掘りをしていきます。
そもそも快適エアリーは、床に空いた穴から冷暖房を入れつつ換気を行うことで、室内を快適な温度かつきれいな空気の状態にするというのがベースの機能です。
ですので、それらを行うために床下に
- 熱交換換気扇
- ヒートポンプ式冷暖房除湿ユニット
という2つの装置が設置されているのです。
それぞれ説明します。
まず熱交換換気扇は、冷暖房によって調整された室内の空気を85%の熱交換率で換気してくれるシステムです。
ですので例えば、室内の温度が20℃で、外気が0℃の場合、外気の温度を17℃にまで上げて空気の入れ替えをしてくれるということです。
これは他のメーカーに比べて普通かなという感じです。
以前まではいい方だったのですが、ここ数年で他のハウスメーカーも第一種換気の熱交換率が向上しています。
そのため、今はいいとも言い切れないですし、かといって別に悪いわけでもないので、普通といった感じです。
さらに外気を取り入れる際に、プレフィルター、へパフィルター、No2フィルター、これら3種類のフィルターを通った空気が熱交換される仕組みになっているのです。
ですので空気中の花粉、PM2.5などを99.97%ブロックした状態で空気の入れ替えがされるのです。
続いてヒートポンプ式冷暖房除湿ユニットですが、これは室内の床に吹き出し口と吸引口を設置して空気を循環させながら空気を冷やしたり、温めたりするシステムです。
ではなぜ床に空いた穴から冷暖房を入れるのかというと、暖かい空気は上に上がる性質があるため、上から温めるよりも下から温めた方が効率がいいからです。
そのため、床に穴が空いていて、そこから冷暖房を行うのです。
そしてこの時吸引口部分に『抗ウイルス対応フィルター 』というのが設置されているのです。
これが新しくなった部分で、室内空気に含まれるウイルスが吸込口を通過する際『抗ウイルス対応フィルター』の力でウイルスの活動を抑制することが期待できるというものです。
ですので
- 熱交換換気扇
- ヒートポンプ式冷暖房除湿ユニット
これらの効果によって、常にきれいな空気が循環し続け、さらに室内の温度を一定に保てる仕組みが『快適エアリーT-SAS』なのです。
CMで、あったかハイムとうたっているのは、このシステムから来ているのですが、これは体感してみると本当に暖かいです。
ただし、床に吹き出し口や吸引口がつく形になるので、掃除はしっかりとしなければなりませんし、何か飲み物などをこぼしてしまってもアウトです。
見た目もけっこう目立つので、性能を取るのか、それとも意匠性を選ぶのか、この辺りは皆さん自身で判断してみてください。
セキスイハイムの特徴7:磁器タイル
『磁気タイル以外ありえない』
セキスイハイムで家を建てるなら、意匠的にも性能的にも磁気タイル一択かなと思います。
ただしセキスイハイムの磁気タイルは、形状もそうなのですが、ユニット工法独自の特殊性というのがあるのです。
これについて触れていきます。
まずタイルの種類ですが、
- レジデンスタイルG
- レジデンスタイルN
- ラスティックタイル
- Sラスティックタイル
- スクラッチタイル
以上の5種類があります。
それぞれのタイルが建物の商品ごとに使える使えないが決まっているので、そこは注意が必要なのですが、とくかくここではセキスイハイムには5種類のタイルがあるということ、あとは特徴的な四角いタイルがあるということさえ覚えてもらえれば大丈夫です。
このタイルのメリットは
- メンテナンスフリーで、将来かかる塗装工事費用を削減できる
- 汚れがつきにくく、目立たない
- 衝撃に強い
- 防火性能が高い
といったようなメリットがあるのですが、これらは一般的なタイルにも言えるメリットです。
そのため「セキスイハイムだからタイルにこれらの性能がある」というわけではありません。
では、セキスイハイムでタイルを使うメリットはなんなのかというと、それは『工場内で貼りつけるのでズレがない』ということなのです。
もうこれに尽きるのです。
やはり通常、外壁は現場で施工するので、どうしても人の手で作業することになります。
いくら腕のいい職人であったとしても、ヒューマンエラーは起きる可能性があるので、工場で寸分の狂いなく外壁を設置してくれるというのは非常に魅力的ですよね。
ただし反面、デメリットも存在します。
それが『早めにタイルの種類を決めなければならない』ということです。
というのも、構造躯体であるユニットの発注と同時に外壁の発注もしなければならないので、のんびりと外壁の種類や色を選んでいられないのです。
ですので例えば、内装やインテリア、外構の詳細を決める前にユニットを発注することになるため、トータルでのコーディネートが難しくなったり、あとは後戻りができないことから、外壁にお金をかけ過ぎて、外構やインテリアに予算をかけられなくなったりといった状態も起こりやすいのです。
これはユニット工法独自のデメリットになるのでご注意ください。
また、外壁でタイルを選択しても、全てタイルになるわけではないのです。
これがどういうことかというと、実はバルコニーの内壁部分、ここもきちんと変更しなければ、標準仕様のサイディングのままになってしまいます。
しかもなぜかセキスイハイムのバルコニーの内壁部分のサイディングは、白しか色がないのです。
ですのでこれを知らなければ、例えば外壁は黒のタイルなのにバルコニー内側だけ白のサイディングというような、なんともチグハグな状態になってしまうわけです。
自らの意思で選んだなら話は別ですが、知らなかったら悲惨な目に遭うので、この点もご注意ください。
一応、私のおすすめは磁気タイルですが、
予算にある程度の余白を確保しておくために、タイル外壁と、SFCボードとよばれる外壁の中間価格帯である『ジオマイト外壁』を選択するという手もあるにはあるかなと思います。
ジオマイトとは、地質学のジオロジーと幾何学のジオメトリー、それと力強さを表すマイトを掛け合わせたセキスイハイムの造語です。
積水ハウスのダインコンクリート、へーべルハウスのヘーベル板の競合商品という位置づけだと思うのですが、深い彫りと陰影が特徴的な外壁です。
価格的には
- 磁気タイルが松
- ジオマイト外壁が竹
- SFCボードが梅
というような感じで、ちょうど中間なのです。
ですので「磁気タイルは高い、でもSFCボードだとちょっと安っぽいかな。」という方は、ジオマイト外壁を選んで、ある程度予算に余白を持たせておくのもアリかと思います。
ただし、ジオマイト外壁はメンテナンスフリーのタイルと違い、30年に1度、塗装が必要です。
SFCボードが20年に1度塗装が必要なので、ちょうど中間のメンテナンス性能という感じです。
さらに保証もタイルが30年なのに対して、ジオマイト外壁は10年になります。
ここに関しては、SFCボードも保証は10年なので同じです。
価格以外にこういったちょっとした違いもあるので、セキスイハイムで検討される場合は、この辺りも最初のうちから詳しくなっておくことをおすすめします。
セキスイハイムの特徴8:鉄骨メーカーでは珍しく樹脂サッシを採用できる
『ただし、現場があまり理解していない』
セキスイハイムも断熱等級の改正に伴い、2023年4月から新断熱仕様が実装されています。
具体的には
- 壁
- 基礎
- 開口部
これらをそれぞれ強化し、断熱等級6を獲得するための仕様が出ているのです。
例えば壁に関しては、ハイグレード(HG5a)仕様というものにすることで、今まではグラスウール16k100mmだったのですが、これがグラスウール20k130mmに変更することが可能になります。
基礎は基礎部分の断熱材を寒冷地仕様の『XPS2』という仕様にグレードアップすることで、断熱性能を向上できるようになっています。
開口部は今まで標準で使われていたアルミ樹脂複合サッシのペアガラスではなく、樹脂サッシのトリプルガラスを採用できます。
今まで鉄骨系の大手ハウスメーカーは、都市部で住宅を建築する場合、防火の関係で樹脂サッシは使えないとしてきていたのです。
ただセキスイハイムは、2023年4月から防火仕様の樹脂サッシが新たにリリースされています。
そして今お話した
- 壁
- 基礎
- 開口部
これらを強化することで、セキスイハイムでも断熱等級6が獲得可能になるのです。
セキスイハイム側としても、これら3つの強化を推奨しているので、もうマストで選ぶべき仕様といった感じなのですが、残念なことに落とし穴が存在します。
というのも、セキスイハイムはディーラー製の会社です。
そのため、本社と地域会社の間で意思統一がうまく取れておらず、 ディーラー社内では、断熱に関する情報発信がほとんどされていないようなのです。
そのため残念なことに、これらの断熱仕様を提案している人がほぼいません。
しかも営業マン自体も断熱に関して興味がないのか「新断熱仕様?そんなのありませんよ。」と言う方も多く、それも合わさってあまり普及していないというのが実情なのです。
正直、もっと断熱に関して目を向けてほしいなというのが個人的な印象です。
これから家づくりをする方でセキスイハイムを検討する方は、ぜひとも断熱材のグレードアップを検討してみてください。
セキスイハイムの特徴9:建物を大きくした方が得の場合がある
『小技がたくさんあるハウスメーカーNo1』
実はセキスイハイムは他のハウスメーカーと異なる特殊ルールがかなり存在しています。
これはプランニングもそうなのですが、例えば一部の商品には『太陽光を8kw以上載せたら100万円前後の減額』といったルールが存在するのです。
ですので、建物を大きくしてでも、その減額を獲得した方が得なのです。
また、使うユニット数を少なくすることで減額することも可能だったりします。
こういった独自のルールが存在するので、建物を大きくすれば金額が上がるとは一概に言えないのがセキスイハイムです。
この点は注意事項であり、セキスイハイムの魅力でもあるので抑えておいてください。
ではなぜこのようなことができるのかというと、それはシンプルにセキスイハイムが工業化住宅を突き詰めているからです。
というのも、セキスイハイム以外のハウスメーカーもやっているのは工業化住宅なのですが、突き詰め度合いでいったら、そこそこに止まっていることが多いのです。
そこそこに止まっているということは、その分だけ工事現場で職人にかける負荷が大きくなってくるということです。
そしたら当然、人件費もかかってくるわけです。
一方で、工業化を突き詰めれば突き詰めるほど、価格を落とすための様々な工夫ができるようになります。
セキスイハイムは、この住宅の工業化の軸をブラさずに突き詰めている感があるのです。
そんなこんなで、セキスイハイムで検討する際に価格を落とすことを考える場合、なにも坪数を小さくすることが全てではない、ということを覚えておいてもらえればと思います。
セキスイハイムの特徴10:大手ハウスメーカーの中では価格を抑えられている
『工業化住宅最大のメリット』
先ほどの話に付随する内容にはなるのですが、セキスイハイムは大手ハウスメーカーの中では比較的価格を抑えられている方になります。
具体的には、建物のみの坪単価でだいたい95万円〜105万円という感じです。
ですので例えば、土地価格が2,000万円で、そこに35坪の家を建てた場合、2,000万円+諸費用1,500万円+3,325万円〜3,675万円で合計6,825万円〜7,175万円になるようなイメージです。
こうみるとけっこう高額ですし「え?価格抑えられてるって言ってるのに、こんなに高いの?」と思われると思います。
確かにその気持ちはわかりますし、諸費用1,500万円はそれなりにゆとりをもって計上しています。
ただし、どんなに節約をしても、諸費用1,000万円を下回ることはないのです。
このように考えると、その他のハウスメーカーが軒並み坪単価100万円を超えてきているので、かなり頑張っている方だと思います。
とはいえ、決して安いハウスメーカーではないので「大手ハウスメーカーの中では比較的価格が抑えられている方なんだ。」くらいに思っていただければと思います。
【2024年最新】セキスイハイムの特徴10選〜すべてがわかる!〜のまとめ
セキスイハイムの特徴10個を紹介してきました。
まとめると
- 積水ハウスとはつくっている家の方向性が異なる
- 鉄骨系商品と木質系商品がある
- 鉄骨ユニット工法を採用している
- ユニット工法はデメリットが多い
- 木質系商品もユニット工法を採用している
- 快適エアリーT-SASがある
- 磁気タイルがある
- 鉄骨メーカーでは珍しく樹脂サッシを採用できる
- 建物を大きくした方が得の場合がある
- 大手ハウスメーカーの中では価格を抑えられている
以上の10個になります。
そしてここまで見ていただいた方にのみに告知させていただくのですが、現在、私の公式LINEでは、各大手ハウスメーカーの攻略カタログを無料で配布しています。
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