注文住宅の初期コストダウン術10選!住宅価格高騰に備える

注文住宅の初期コストダウン術10選 はじめての注文住宅ノウハウ
この記事は約21分で読めます。

今回は『注文住宅の初期コストダウン術10選!住宅価格高騰に備える』というテーマでお話をしていきます。

私の肌感覚にはなりますが、去年の今頃と今現在とで比較をすると、ハウスメーカー各社の住宅の金額は、だいたい700万円から800万円くらい上がっている印象です。

例えば住宅ローンに換算すると、今から住宅を購入する場合、去年と比較して月々2万円くらい多く支払う必要があるということなのです。

「なんだ2万円くらいの負担増だったら大したことない。」と思う方もいるかもしれませんが、今現在大手ハウスメーカー各社で家を建てようとすると、建物価格だけで坪100万円からというのが普通になってきました。

ハウスメーカーによっては、建物価格だけで坪150万円になるケースもあります。

皆さんが思っている以上に、月々の支払いはヘビーなのです。

もう少し具体的に説明をしていくと、今現在35坪の普通サイズの2階建ての家を建てようとした場合、35坪×坪100万円〜坪150万円で、建物だけの価格で3,500万円〜5,250万円かかるということです。

2,000万円の土地を購入して家を建てる場合の費用

そこに土地から購入する方は、土地代と諸費用としてだいたい1,500万円くらいが加算されることになるのですが、諸費用というのは、建物価格と土地代以外にかかる費用全てを諸費用として定義しています。

例えば2,000万円の土地を購入して家を建てる場合、

  • 土地の仲介手数料約73万円
  • 外構費用約300万円から800万円
  • 建物の組み立て費用約200万円〜450万
  • 屋外給排水工事約90万円〜150万円
  • ガス引き込み費用約30万円
  • 住宅ローンの保証料約100万円〜200万円
  • 地盤改良費用0円〜1,000万円程度
  • 火災保険料約50万円
  • カーテン、照明、エアコン、家具、家電約500万円
  • 設計業務報酬料約150万円
  • 長期優良住宅性能表示制度申請費約20万円
  • 登記費用約30万円
2,000万の土地を購入して家を建てる場合の諸経費一覧

このくらいの金額が諸費用としてかかってくるため、だいたい合計で1,500万円からとなり、東京などの一部のお金のかかる地域で家を建てると、場合によっては2,500万円くらい諸費用としてかかってくるケースもあるのです。

35坪の普通サイズの建物を建てる場合、7,050万〜9,750万円かかる

つまり35坪の普通サイズの建物を建てる場合、今現在建物価格3,500万円〜5,250万円プラス土地代2,000万円プラス諸費用1,550万円〜2,500万円かかるということで、7,050万〜9,750万円かかることになります。

ですので、住宅ローンを35年返済で金利0.5%、元利均等返済でボーナス返済なしのフルローンで組んだ場合、月々の返済額は18万3,000円〜25万3,000円になるわけです。

月々のローン返済額は18万3,000円〜25万3,000円

これが今現在住宅ロ−ンを買った時に毎月払う金額で、去年買っていればここからまだ2万円安かったということなのです。

2万円の負担増がかなり重いものだということが皆さんもわかったのではないかなと思います。

ただこの話をすると、だいたい「こんな金額じゃ家買えないよ。」と言われるので、今回は少しでもコストを下げるために『注文住宅の初期コストダウン術10選』というテーマでお話をしていきます。

ぜひとも最後までお読みください。

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注文住宅の初期コストダウン術1:大手ハウスメーカーの規格住宅か中堅・ローコスト系のハウスメーカーを選ぶ

大手ハウスメーカーの規格住宅か中堅・ローコスト系のハウスメーカーを選ぶ

規格住宅であれば大手のハウスメーカーであっても、建物価格のみで坪80万円から100万円くらいの間で購入できます。

そのため例えばですが、積水ハウスの普通の注文住宅と住友林業の規格住宅で価格を比較すると、だいたい1,000万円から1,500万円いかないくらい安く住友林業で建てられるというようなことも普通にあります。

ですので、憧れの大手ハウスメーカーの家を比較的手に入りやすい価格で手に入れることができるわけなのです。

また、中堅・ローコスト系のハウスメーカーであれば、価格をさらに下げることが可能です。

ですので、価格を落とすことを考えるのであれば、まずは大手ハウスメーカーの規格住宅かもしくは中堅・ローコスト系のハウスメーカーを選ぶことをおすすめしますという話なのですが、ただこの話をすると人によっては、価格を落とすために安易に「大手ハウスメーカーの規格住宅もしくは中堅・ローコスト系のハウスメーカーを選べばいいんだろう。」という風に解釈してしまう人もいるかと思います。

本来でしたらそれでもいいのですが、この注文住宅業界は非常に複雑で、全体のルールを把握しておかなければ、制限が多くてスムーズに家づくりができない、思ったよりも普通の家になってしまったなどということになりかねないのです。

ですので、ここからさらに深掘りをする形で、大手ハウスメーカーの規格住宅と中堅・ローコスト系のハウスメーカーの正体、それぞれのメリットデメリットを掘り下げてお話をしていこうと思います。

大手ハウスメーカーの規格住宅

まず大手ハウスメーカーの規格住宅についてですが、大手ハウスメーカーの規格住宅は一言でお伝えをすると、大量生産による仕組み化を使ってコストを抑えている商品です。

そもそもの話として、ハウスメーカーという業体は、戦後家がない時代に住宅の工業生産をすることで、均一の質の家を量産する目的でできた業体になります。

戦後家がない時代

ですので例えばですが、積水ハウスには規格住宅がないので除外をしますが、それ以外の大手ハウスメーカーには、

  • 住友林業はForest Selection BF
住友林業はForest Selection BF
  • ダイワハウスはスマートセレクション
ダイワハウスはスマートセレクション
  • ヘーベルハウスはmy DESSIN
ヘーベルハウスはmy DESSIN
  • ミサホームはスマートスタイル
ミサホームはスマートスタイル
  • パナソニックホームズはフォルティナセレクトプレミアム
パナソニックホームズはフォルティナセレクトプレミアム
  • 三井ホームはMITSUI HOME SELECT
三井ホームはMITSUI HOME SELECT
  • セキスイハイムはスマートパワーステーションFXアーバン
セキスイハイムはスマートパワーステーションFXアーバン
  • トヨタホームはSINCE LQ
トヨタホームはSINCE LQ

といった感じで規格住宅の商品が存在します。

これらの規格住宅は、資本力のある大手企業だからできる大量生産による恩恵や、大企業ならではの恩恵を受けているため、

  • コストが安い
  • 通常の注文住宅と同じ施工精度の高さ、保証、アフター対応などの恩恵を受けられる
  • 契約後の打ち合わせからなら設計士が対応してくれる

といったメリットが存在します。

ただし一方で、

  • 間取りの制限がある
  • 選べる仕様の幅に制限がある
  • 断熱剤などの強化はできない
  • よく見るような外観・間取りになる

といったデメリットも存在します。

大量生産するということは、大量生産に適した仕組みや形である必要があります。

ですので、これらのデメリットはコストを優先するのであれば仕方ないわけです。

これが大量生産をすることによってコストメリットを出した大手ハウスメーカーの規格住宅の特徴になります。

中堅・ローコスト系ハウスメーカーを選ぶ

続いて中堅・ローコスト系のハウスメーカーについてですが、中堅・ローコスト系のハウスメーカーは大手ハウスメーカーの規格住宅と同様で、選べる仕様の幅に制限をかけるなどして価格を下げています

しかし、圧倒的に大手ハウスメーカーと違うところがあります。

それが中堅・ローコスト系のハウスメーカーは、専門部署をきちんと抱えていないという点です。

そのため、大手ハウスメーカーの注文住宅より価格をより下げることができているのです。

これがどういうことかを説明していくのですが、皆さん注文住宅と聞くと、多くの方がおそらくどのハウスメーカーでも1級建築士や2級建築士の免許を持っている人が出てきて、自分たちの理想とする間取りを書いてくれるのだろうと思うと思います。

しかし実際は違います。

そもそもハウスメーカーという業体は、基本的に営業マンが間取りを書きます。

なぜなら、1級建築士や2級建築士と呼ばれる人たちは、本来役所に家の建築確認を取るための設計図書、これを作ることがメインの業務だからです。

ですので、設計士がお客さんの前に出てきて間取りをつくるなんていうことは滅多にありません。

特に中堅ローコスト系のハウスメーカーは、営業マンの業務負担がかなり大きくて、ほぼほぼ住宅営業マンが間取りを書いて、ほぼほぼ住宅営業マンが契約後の打ち合わせを行います。

さらにハウスメーカーによっては、営業マンが家を建てた後のアフターフォローをするところもあったりします。

けっこう驚きですよね。

しかしこれが普通なのです。

ちなみに、標準仕様とオプション仕様という概念も、中堅・ローコスト系のハウスメーカーならではの概念です。

どういうこと?という感じだと思いますが、注文住宅は何でもありが注文住宅です。

標準仕様とオプション仕様という明確なくくりが存在するのであれば、それは規格住宅という扱いになります。

ですので、本来の注文住宅は標準仕様もオプション仕様も存在しないのです。

ではなぜ中堅・ローコスト系のハウスメーカーは、標準仕様とオプション仕様という明確なくくりが存在するのかというと、営業マンが打ち合わせしやすいように仕組み化されているからです。

例えるのであれば、マニュアルを見てバイトが作った料理のような感じで、住宅営業マンもある程度になれば自分で間取りを書けるのです。

ただ書けはするものの1級建築士や2級建築士のような免許はないことが多いので、どう頑張ってもプロが書いたような間取りにはなりません。

しかし、中堅・ローコスト系のハウスメーカーは、安くそして数を売ることを目的にしているので、営業マンがつくった間取りで家を建てたとしても問題ないのです

そのような感じで、中堅・ローコスト系のハウスメーカーは、専門部署を抱えず営業マンが諸々対応することでコストを落としているのです。

ただ中堅・ローコスト系のハウスメーカーは価格を下げるために専門部署をつくっていないだけで、実は間取りの自由度はけっこうあったりします。

そのため、大手ハウスメーカーの規格住宅と比較をすると、さらに価格も落とせて間取りの自由度もあるわけなので、けっこうよかったりします。

ただし一方で、中堅・ローコスト系のハウスメーカーは、大手ハウスメーカーと比較をすると資本力の関係もあってか工業化率は低めです。

そのため、中堅・ローコスト系のハウスメーカーの家は、大手ハウスメーカーの規格住宅に比べて自由度もあって小回りは利きやすいものの、施工が雑になるリスクはどうしても高めです。

もう少し解像度を上げて説明するために具体例を出そうと思うのですが、例えば建物の断熱性能や気密性能に関しては、下手な大手ハウスメーカーの規格住宅より、中堅・ローコスト系のハウスメーカーの方が高かったりします。

それがなぜなのかというと、大手ハウスメーカー各社は工業化率を高めているため、その弊害として建物のグレードアップをするためには工場の生産ラインから現場の仕組み、そしてマニュアルまで全て変えなければなりません。

これはまあまあ労力がかかるので、大手は対応が遅いのです。

その点中堅・ローコスト系のハウスメーカーは、工業化率が大手に比べて低いということもあって、対応が早いのです。

ですので、下手な大手ハウスメーカーの規格住宅よりも、中堅・ローコスト系のハウスメーカーの建物の断熱性能や気密性能の方がよかったりするのです。

ただ、これはあくまでカタログスペック的な話で、先ほどもお伝えしたように、中堅・ローコスト系のハウスメーカーは、施工が雑になるリスクはどうしても高めになるので、例えばアイ工務店などはものすごくいい例で、クオリティを高めようと思えば高められる一方で、SNSで調べてみるとわかるのですが、施工不良も多いという投稿がけっこうあります。

アイ工務店

そのような感じで、大手ハウスメーカーの規格住宅にも中堅・ローコスト系のハウスメーカーにも、それぞれ一長一短あります。

ここまでの話をまとめると、価格を落とすのであれば大手ハウスメーカーの規格住宅かもしくは中堅・ローコスト系のハウスメーカーを選ぶのがベストではあるのですが、それぞれ特徴が異なっていて、間取りの自由度や断熱性能などの小回りは効かないけれど、施工精度が高く、通常の注文住宅と同じ保証、アフターサービスを受けられる大手ハウスメーカーの規格住宅を選ぶのか、間取りの自由度や断熱性能などの小回りは効くけれど、施工精度が低くなる傾向にあり、保証やアフターサービスもそこそこな中堅・ローコスト系のハウスメーカーを選ぶのか、このどちらかを選択することになるわけです。

大手ハウスメーカーの規格住宅と中堅・ローコスト系ハウスメーカーの特徴

この辺りは皆さん自身の選択になるかなと思います。

注文住宅の初期コストダウン術2:建物の高さをいじる

建物の高さをいじる

ここからは、いわゆる普通の注文住宅で使える小技を皆さんにお伝えしていきます。

まず、建物の高さをいじるということに関してです。

これはそのまんまの意味で、建物の高さ自体をいじることによって、コストダウンをはかるという方法です。

例えばハウスメーカーの建物は2m40cmという天井高が普通なのですが、これを2m20cmや2m10cmにして天井を低くするのです。

通常の天井高2m40cm

そうすることによって、建物の大きさによるものの、けっこうな金額を削減できるのです。

私の監修した建物でも、2m20cmや2m10cmの天井の建物はけっこうあり、それなりに金額が抑えられた印象です。

ただこの話を聞くと、中には「そんな天井の低い家なんてありえない。」と思われた方もいると思います。

ただそれは大きな間違いかなと私は思っています。

確かに、ただただ天井を下げただけでは変に圧迫感が出て住みにくい空間になってしまいます。

ただし天井を下げるのと同時に、横に広い空間を設けることによって、広がりを感じられる空間をつくり上げることができるのです。

例えばこちらの家をご覧ください。

天井の1部分が2m10cmになっている家

こちらの家は私が監修した家の1つなのですが、天井の一部分が2m10cmになっています。

しかし、横に広く空間を取っているので、狭くも感じないですし、圧迫感も感じないようになっているのです。

有名な住宅建築家の伊礼智さん

このように、天井を低くして横に広い空間を取ることで広さを感じる設計手法は、有名な住宅建築家の伊礼智さんも使っている建築手法です。

私がトリッキーなことをしているわけではなく、一般的な建築手法なのです。

もちろん担当の設計士がうまく設計してくれるため、トータルのバランスがよくなるというのもあります。

うまく活用できればコストを下げつつ、さらには見た目のいい空間に仕上げることもできるので、1つ参考にしてみてください。

注文住宅の初期コストダウン術3:片流れ屋根にする

片流れ屋根にする

片流れ屋根というのはこういう形状の屋根のことで、この形状の屋根にすることで2階部分の半分がなくなるのです。

片流れ屋根

言っている意味がわからないかと思うので、実際の写真をお見せすると、このような感じです。

片流れ屋根の家の外観と内部

こちら私の自宅なのですが、正面から見ると平屋ですよね。

しかし建物の側面から見ると、2階部分の半分がなくなっています。

つまり本来2階建てになるはずの部分がそのままなくなっているので、その分価格が安くなるというわけです。

ただこの手のタイプの建物はけっこう癖が強く、万人受けする間取りにはなりにくいというデメリットも存在します。

具体的には、天井面がフラットではなくなる、無駄な小屋裏収納が増えるなどです。

気にしないよという人にとっては大幅にコストを削減できる方法でもあるので、1つ参考にしてみてください。

注文住宅の初期コストダウン術4:ベランダをなくす

ベランダをなくす

こちらはよく言われていることでもありますし、最近ベランダをつけない人が増えてきているので、当たり前になってきているなという印象ではあるのですが、念のためお伝えをしていきます。

ベランダ

そもそもベランダはそれをつけるのに20万円、大きさによっては50万円が平気でかかるのです。

さらに防水のメンテナンスも必要になってくるので、定期的にけっこうな費用がかかることになります。

そのため最近では、室内物干しスペースをつくって、そこで完結させる人が増えてきています。

室内物干しスペース

実際に私の紹介で家を建てた方の95%くらいの人はベランダをつけていません。

ただこの話をすると決まって「洗濯物は外で干した方がいい。」「室内干しは生乾きの匂いの発生原因になる。」という意見を言ってくる方がいらっしゃるのですが、生乾きの原因は湿度であって、湿度調整ができるように工夫をしておけば、室内で干しても生乾き臭が発生することはないのです。

それに太陽光が直接衣類に当たってしまうと、紫外線によって劣化もします。

そのため衣類が長持ちしなくなるのです。

そういうこともあって、例えばですが、クリーニング屋も衣類を太陽の下にさらして乾燥させるのではなく、巨大な除湿機、これを使って乾燥させていくわけです。

同様の考え方で、パナソニックホームズや三井ホームなどの全館空調を得意としているハウスメーカーで家を建てる場合、室内もしくはスペースの真上に全館空調の吹き出し口を設置するのです。

室内もしくはスペースの真上に全館空調の吹き出し口を設置する

そうすると吹き出し口から出てくる風がダイレクトに洗濯物に当たると同時に乾くので、生乾き臭が発生することもないですし、洗濯物も普通に乾くようになるのです。

そのような感じで、空調やあとは湿度調整ができる工夫を取り入れることで、室内干しでも問題なく衣類を乾燥させることができるのです。

無駄にベランダをつけると、設置コストや維持コストが非常にかかってくるので、設置を検討する場合、もしくはハウスメーカー側からベランダのある提案を受けた場合は、冷静に考えた上で設置するかどうかを決めましょう。

注文住宅の初期コストダウン術5:窓をなくす

窓をなくす

この話をすると「窓なしの暗めの家に住めってことかっ。」と言われそうですが、そもそも日本の住宅は窓をつけ過ぎなのです。

窓の多い家

日本には通風信仰というのがあって、風が抜けるようにしなければ湿気が抜けない、湿気が抜けなければ家の中がかびるなど、そういう考え方から担当者によっては換気目的で窓をつけることを提案してくる人もいます。

そのため例えば、東西や南北など直線で風が抜けるように窓が配置されていたりします。

しかし今は、24時間換気システムという機械が存在するので、きちんと理論理屈に乗っ取って家づくりをすれば、そもそも窓を開けて換気する必要性はないのです。

しかも皆さんもイメージしてもらえればわかると思いますが、今の日本は高温多湿の環境です。

窓を開けて過ごす期間なんてあまりにも短すぎるわけです。

事実11月から2月の外気は寒くて乾燥した空気であるため、寒いし乾燥するしで窓を開ける人はほとんどいないはずです。

3月から4月は温かくなりはするものの、3月はスギ、4月はヒノキの花粉が飛びます。

家族に1人でも花粉症の人がいたら窓は開けられないはずです。

5月はかろうじて開けられるかなというところで、6月は梅雨に入るので、窓を開けた日には室内の湿度が90%というようなことも十分にあり得ます。

7月から9月は夏で気温も高くて湿度も梅雨と大差ない状態なので、基本的にエアコンを使って過ごすはずです。

10月は天気がよければ開けられると思いますが、台風が多い時期です。

一年を通して窓を開けて過ごせる期間は少ない

このように見ていくとわかりますが、まともに窓を開けられのは5月くらいしかありません。

10月も多少窓を開けることはできますが、それでもだいたい1年のうち10ヶ月は窓を開けられない期間なわけです。

こういった事実があるにも関わらず、皆さんは通風のために窓をつけようと思いますか?

思いませんよね。

はっきり言いますが、窓を開けて湿度コントロールをする、通風をよくするという考え方は昭和の家です。

今は令和です。

令和のこの時代に昭和の家づくりをしてどうするんですかという話でもあるので、窓の役割はきちんと把握した上で設置するようにしましょう。

必要のない窓はもう即削除してしまって大丈夫です。

注文住宅の初期コストダウン術6:アルミ樹脂複合サッシから樹脂サッシに変更する

アルミ樹脂複合サッシから樹脂サッシに変更する

これはかなり意外かもしれません。

窓際

というのも樹脂サッシを採用したいというのを営業担当に話すと「樹脂サッシの方が高いです。」「アルミ樹脂複合サッシの方がお得です。」などと言われるからです。

そのため多くの方がアルミ樹脂複合サッシの方が安く、樹脂サッシの方が高いと思い込んでしまいがちなのですが、実は樹脂サッシの価格がかなり下がってきていて、場合によってはアルミ樹脂複合サッシよりも樹脂サッシの方が金額が安いということが普通にあるのです。

これを知らないで家づくりをしている人は、もしかしたらわざわざ高い金額を払ってスペックの低いアルミ樹脂複合サッシの窓を入れているかもしれません。

ちなみにアルミ樹脂複合サッシの方が窓枠が細いので、意匠性が高いと言われていますし、私も過去にそういった説明をさんざんしてきていますが、ここ最近では樹脂サッシもかなり進化してきています。

正直樹脂サッシでもかなり大きな開口を取れるので、変にアルミ樹脂複合サッシにこだわらなくてもいいような時代になってきています。

固定観念にとらわれず、柔軟に判断することをおすすめします。

注文住宅の初期コストダウン術7:扉をなくす

扉をなくす

こちらはシンプルです。

無駄な扉はなくしましょう。

扉

扉は1つ7万円くらいするので、それが塵積もると平気で数十万円かかってしまうわけです。

しかも、扉が無駄にあることで空調効率も悪くなってしまいます。

ですので、価格を抑えつつ、さらには室内の空調効率をよくしたいのであれば、なるべく扉の少ない間取りにすること、これがポイントになってきます。

では、扉をなくしたらどうやって部屋を区切るんだという話になると思います。

ポイントの1つとして、クランクさせるという方法を使います。

これがどういうことかというと、例えばイオンなどの商業施設のトイレを思い浮かべてみてください。

古めの商業施設のトイレは扉がついていますが、

古めの商業施設のトイレ

新しい商業施設のトイレには扉がついておらず、通路をクランクさせることで視線をカットするような設計になっています。

新しい商業施設のトイレ

要はそれと同じ感覚で、視線が途切れるように設計してあげることで、不要な扉をなくすことが可能になるのです。

とにかく無駄な扉は空調効率を悪くするだけではなく、無駄にコストもかかってきてしまいます。

コストを気にされる方は、最初から担当の設計の方に「無駄な扉はつけたくありません。」という要望を伝えた方がいいかもしれません。

注文住宅の初期コストダウン術8:無垢のユニット材

無垢のユニット材

これは私の最近の流行りなのですが、私は無垢床信者です。

無垢床

無垢床とは本物の木でできた床材で、無垢床を入れたことがない人はよく「無垢床はメンテナンスが必要だからおすすめしない。」「無垢床は木の伸縮で床がボコボコになる。」などそのようなことを言ってくる人もいるのですが、実際はそこまでひどくなく、むしろ他の床材に比べてメンテナンス費用もかからないですし、技術の発達もあって、木の伸縮も昔に比べてほぼありません。

皆さんに予算があるのであれば、ぜひとも無垢床を採用してほしいです。

ほしいのですが、コストが高いのです。

では、手頃な価格で入れられる無垢材はないのかという話なのですが、あるのです。

それが無垢のユニット材、通称無垢ユニです。

では無垢ユニとはなんなのか、それを簡単に説明すると、寄木細工のようにフローリングの短辺方向に木の切れ端をつなげて1つのフローリングにしているものです。

無垢のユニット材

要は木材を無駄なく使うために編み出されたフローリングの製法だということです。

これはけっこう安く、見た目に関しても普通の無垢床のフローリングと遜色ないのです。

個人的には下手な引き板や突板を入れるくらいでしたら、無垢ユニを入れた方が絶対いいとさえ思っています。

現在家づくりをしている最中の方は、1つ参考にしてみてください。

注文住宅の初期コストダウン術9:無垢の余り材を使う

無垢の余り材を使う

これも無垢床関連の話になるのですが、無垢は本物の木なので、木の柄が全て違うのです。

無垢床

ですので例えば、木の節のあるフローリングもあれば、一部だけ黒っぽく変色しているフローリングもあるのです。

そのような感じで、無垢床それぞれに個性があるので、施工する時にまびくのです。

つまりは言い方が悪いのですが、見た目の悪いフローリングを弾いて、見た目のいいフローリングだけを残して使うということです。

無垢床を施工する時は、そのまびき作業を絶対に行います。

ですので、無垢床を使う時は普通よりも多めに発注をかけるのです。

そしてそれがけっこう余るのです。

その余った無垢床を再利用しようということで、例えば階段の笠木に使ったり、

階段の笠木

あとは余った無垢フローリングでテレビボードをつくったりもできるわけです。

余った無垢フローリングでテレビボード

また少し毛色は違うのですが、無垢床でしたら玄関框部分を切りっぱなしにすることもできるので、ここでもコストダウンすることが可能になります。

玄関框部分を切りっぱなし

数百万円という大きな金額を削減できるかと言われればそんなことはないですが、数十万円の削減にはなります。

ですので、無垢床を採用される方はぜひとも余った木材の再利用方法を検討して、担当の方に伝えてみてください。

注文住宅の初期コストダウン術10:造作家具を一括作成する

造作家具を一括作成する

造作家具というのは、その建物にあったサイズで家具をつくることで、建具やエアコンの面格子、ダイニングテーブルや椅子など、とにかくその建物に合わせて特注でつくったものは全て造作家具という扱いになります。

造作家具

そしてこの造作家具があるかどうかで家のクオリティが大きく変わってくるわけなのですが、特注と聞くと多くの人が「金額が高くなるからいらない。」と思ってしまいがちなのです。

確かに造作家具は決して安いわけではないですが、安く済ませる方法はいくつかあります。

例えばそのうちの1つが、造作家具の一括作成です。

これがどういうことかというと、シンプルに1つの造作家具の作成依頼をするよりも、思い切って複数造作家具の作成依頼をした方が割引きがきくということです。

業者によってはけっこう安くしてくれるので、1度検討してみることをおすすめします。

また、造作家具の一括作成以外にも造作家具を使うことでコストダウンを図る方法があります。

例えば既製品と組み合わせて造作家具をつくる、造作家具を使って既製品を真似して、より簡易的な形で表現したものをつくるなどです。

どうしても造作家具イコール特注で高いというイメージを持ちがちですが、それは時と場合によります。

このことをぜひとも覚えておいてもらえればと思います。

住宅購入の初期費用カット術10選!住宅価格高騰に備えるのまとめ

今回は『住宅購入の初期費用カット術10選』というテーマでお話をしてきました。

ぜひとも家づくりの参考にしていただければと思います。

そして最後に告知です。

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