「ネット上に住宅に関する情報がたくさん上がっているけれど、情報が多すぎてわかりにくい。」
「これから家づくりをするにあたって、失敗しないためには何を知っておけばいいのかな。」
と思っている方に向けて、今回は『【最新】注文住宅でやめた方がいい設備と提案10選』というテーマでお話をしていこうと思います。
というのも、2022年10月からの断熱等級の変更を皮切りに、業界がかなり動いています。
要は過渡期だという話なのですが、そのような状態であるが故に、今まで「これって良いよね」とされていたものが、「もうちょっと古いんじゃないの?」という状態になりつつあるわけです。
当然と言えば当然ですよね?
世の中時代が進めば、その時は良しとされていたものが淘汰されていくというは自然な流れですからね。
ただそうは言っても、ここ最近の住宅業界は流れが非常にはやくて、今まで時が止まっていたかのようにほとんど動きがありませんでしたが、ここ数年で一気に時が加速しはじめたような状況です。
もう現場の営業マンや設計士も流れに追いつくのに必死です。
しかもここまで流れがはやいと、リテラシー格差もどんどん広がっていくので、人によって時代に即していない、一昔前の提案を平然としているということも普通にある状態です。
事実、この前たまたまインスタグラムを見ていたら「ガスコックを家の中につけて、ガスファンヒーターを入れましょう!」という投稿があったのですが、個人的には今のご時世でガスをガンガン使う仕様というのは、札束に火をつけるのと同じくらい無駄だなと思うわけです。
やはり時代を見極めつつ、これからの生活に合わせた提案は必須だと思うので、今回は『【最新】注文住宅でやめた方がいい設備と提案10選』というテーマでお話をしていきます。
本記事を読んでいただければ、現在住宅業界がどのような状況で、どのようなことを考えて家づくりをしなければならないのかがわかるはずです。
これから家づくりをされる方は、ぜひとも最後までご覧いただければと思います。
やめた方がいい設備と提案1:全面アルミ樹脂複合サッシ
注文住宅のやめた方がいい設備と提案1つ目は、全面アルミ樹脂複合サッシです。
そもそも窓には4種類の窓枠があって、それが
- アルミサッシ
- アルミ樹脂複合サッシ
- 樹脂サッシ
- 木製サッシ
です。
性能としては、アルミサッシよりもアルミ樹脂複合サッシ、アルミ樹脂複合サッシよりも樹脂サッシ、樹脂サッシよりも木製サッシ
といった感じで、アルミサッシが一番性能が低く、反対に木製サッシが一番性能の良いサッシとなっているわけです。
木製サッシは高い
「一番性能の良い木製サッシを入れればいいじゃん!」という話になると思うのですが、そんな単純な話ではないのです。
というのも木製サッシは確かに性能は良いのですが、一方で価格がバカ高いです。
リビング一面につけるだけで平気で200万円しますし、大きさによっては300万円かかるなんてことも普通にあり得るのです。
さすがに高すぎですよね?
窓は、夏は外から外気に対して74%もの熱が入ってきて、冬は室内の温度の50%もの熱が逃げていくとされています。
このことからも、家の温熱環境を整えるのに窓が重要だというのは何となくわかると思いますが、だからと言って窓だけにお金をかければいいというわけではありません。
他にお金をかけるべきところがたくさんあるのです。
当然ですよね。
今の主流は樹脂サッシだが難点も
諸々のバランスを考えて今主流となりつつあるのが、木製サッシの次に性能が良いとされている樹脂サッシです。
こちらは木製サッシよりもはるかに安いですし、今ハウスメーカー各社が標準で取り扱っているアルミ樹脂複合サッシよりも性能が良くなります。
「よし!じゃあ、樹脂サッシを入れればいいんだ!」と思われるかもしれませんが、ちょっと待ってください。
実は樹脂サッシの窓にすると、窓枠が非常にやぼったくなります。
更に樹脂の強度の問題で、開口幅も限られてしまうのです。
つまり一言で言い換えると「意匠性が悪くなる」ということです。
例えば住宅展示場にあるモデルルームのような大開口をつくりたい、開放的な空間をつくりたい、そういう場合に関しては、樹脂サッシではなくアルミ樹脂複合サッシにするしかないのです。
現在は高性能なアルミ樹脂複合サッシがある
「アルミ樹脂複合サッシって性能が良くないんでしょ?だとすると入れるの躊躇するな。」と思われるかもしれません。
確かにその気持ちも痛いほどわかります。
ただアルミ樹脂複合サッシの中でも、極限まで断熱性能に配慮されたものも存在します。
例えば積水ハウスのSAJサッシや、あとはミサワホームのAZサッシです。
これらのサッシは、ハウスメーカーと建材メーカーさんがコラボで開発した商品で、ガラスとガラスの間の中空層を16mmにして、更にアルミ部分を極限まで削って断熱性能と意匠の向上を図った窓になります。
そのため通常のアルミ樹脂複合サッシよりも性能が良いのです。
ミサワホームのAZサッシも理論理屈は積水ハウスのSAJサッシと同じなので、積水ハウスの記事を読んでいただければ、通常のアルミ樹脂複合サッシと比較して具体的にSAJサッシやAZサッシの何が良いのかがわかると思います。
とにかくアルミ樹脂複合サッシだから全てダメと考えるのは、少し短絡的すぎかなというのが私の結論です。
おすすめの窓の設置方法
南面の大開口はアルミ樹脂複合サッシにして、それ以外の窓は全て樹脂サッシにする、これが今現在における私のおすすめの窓の設置方法になります。
サッシつまりは窓枠部分と、ガラス面の面積に着目してください。
アルミ樹脂複合サッシの最大の特徴は、樹脂サッシと比較して大開口をつくれるという点です。
そしてその大開口というのは、サッシ部分の面積とガラス面の面積を比較した場合、圧倒的にガラス面の面積の方が大きくなるわけです。
大開口をつくる場合は、サッシ部分よりも窓ガラスの方が断熱に大きく影響してきます。
ですので窓ガラスをトリプルにして性能を上げることで、意匠性と断熱性の両立を図ることが可能になります。
ただ中には、性能の悪いアルミ樹脂複合サッシを普通に使っているメーカーもあります。
各ハウスメーカーのアルミ樹脂複合サッシがどのようなつくりになっているのか、この部分の掘り下げは必須になってくるのでご注意ください。
一方で南面の大開口以外の窓というのは、サイズ的にそこまで大きいものではありません。
サッシ部分とガラス部分の面積を比較すると、サッシ部分が占める面積の割合がかなり高くなります。
そのため、例えば主寝室や子ども部屋などにつける窓は、樹脂サッシにした方が断熱性能が高くなるわけです。
このような感じで、どこにどのくらいの大きさの窓をつけるのかを考えることで、それぞれの窓の適材適所の設置位置が何となく見えてきます。
ですので皆さんも迷ったら、南面の大開口はアルミ樹脂複合サッシにして、それ以外の窓は全て樹脂サッシにする、これをベースに窓選びをしてもらえればと思います。
ただし、ここから少し余談にはなるのですが、今お話ししたことは、2023年4月現在の私の窓選びに対する考え方になります。
今年の6月にはエクセルシャノンからシャノンウィンドNS50という樹脂サッシの商品が発売されます。
従来の樹脂サッシの中央部分が72mmだったのを22mm削減して、50mmまでスリム化したサッシです。
開口幅が大きくなったわけではないので、アルミ樹脂複合サッシと同じような大開口が取れるのかと言われればそれはまだ難しいですが、それでも樹脂サッシ特有のやぼったさは、以前に比べてだいぶなくなってきています。
ちなみに、とある大手ハウスメーカーが今、エクセルシャノンと共同で樹脂サッシの開発をしているという話も聞くので、今後、樹脂サッシは急激に進化していくことが予想されます。
更にYKK APからは来年、木製サッシが発売されます。
このような状況なので、ここ1、2年でまた今と状況がガラリと変化するのではないかなと思っています。
具体的には、今のアルミ樹脂複合サッシの立ち位置が樹脂サッシに代わり、今の樹脂サッシの立ち位置に木製サッシが来るのではないかなと思っています。
皆さんはどう思いますか?
窓は一度取り付けるとそう簡単に取り替えできるものではないので、先々のことを考えながら自分達にとってのベストチョイスを探していただければと思います。
やめた方がいい設備と提案2:エネファーム
注文住宅のやめた方がいい設備と提案2つ目は、エネファームです。
エネファームは正直、おすすめしません。
もし今打ち合わせ中の方がいましたら、すぐにでも取り外すことをおすすめします。
エネファームは光熱費が高くなる
エネファームは多くの方が思っている以上に、日々の光熱費が高くなる可能性があります。
これがどういうことか説明するために、大枠の部分から説明をしていこうと思います。
エネファームの仕組み
そもそもエネファームという給湯器は、簡単に説明をすると、ガスを分解した時に出る熱と電気を利用することによって、お湯を沸かしつつ発電をするというものになります。
エネファーム自体が発電するので「災害時は多少電気が使えて便利」「電気とガスを併用して使うので日々の光熱費が抑えられる」と言われています。
実際、エネファームのパンフレットにはものすごく快適そうな写真が掲載されているので、雰囲気的にエネファームを入れれば快適になりそうな気がしますし、光熱費が抑えられるような気もしてきます。
しかし本当のところはどうなのかというと、先ほどもお伝えしたように、多くの方が思っている以上に、日々の光熱費が高くなってしまうのです。
というのも、ハウスメーカー各社が採用を推奨してくるエネファームはパナソニック製のものになります。
パナソニック製のエネファームは「学習機能」というものがついているのですが、この学習機能は、大量にお湯を使う時間を逆算して、タンクの中の水を60度に温めるという機能です。
これだけ聞くとなんだか耳障りが非常にいいのですが、実際この学習機能がかなり怪しくて、けっこう長い時間、ダラダラお湯を沸かしながら発電しているのです。
つまりその間にガスが垂れ流しになっているということです。
例えば19時にお風呂に入るので、それに向けてエネファームがタンク内にお湯をつくり始め、それで溜まったタンク内のお湯を浴槽に使ったとします。
すると当然、使ったお湯の分の水量を埋めるべく、水道水が補充されるわけです。
ここまでは何となくイメージできると思います。
図を見ると、その補充された水は都度発電しながらお湯に変換されている、と思ってしまうと思います。
実はこれ、半分正解で半分不正解になります。
というのも、タンク内が水の状態ですぐにお湯が必要な場合は、エネファーム内に入っているバックアップ熱源機がガスを使ってお湯をつくる仕組みになっているのです。
そしてこのバックアップ熱源機というのは、かっこいい名前にしてわかりにくくしているだけで、正体はガス給湯器のエコジョーズなのです。
つまり、タンクのお湯が無くなった後、更にお湯を使おうとしてシャワーなどを使用すると、発電しながらお湯をつくりつつ、同時にバックアップ熱源機という、カッコよく改名しただけのエコジョーズも稼働するので、二重でガスを使うハメになります。
ガス料金の低い一昔前でしたらそれでもお得だったのかもしれませんが、今はガス料金が高騰しています。
この仕組みのせいなのか、この冬、エネファームを導入している方の光熱費は、電気とガス合わせて4万円から4万5千円くらいしていました。
月々4万円から4万5千円の光熱費は、住宅ローンを追加で2,000万円から2,500万円組んでいるのと変わらないのです。
こう考えると、なかなかのインパクトですよね。
エネファームを入れても床暖房はお得にならない
更にエネファームを入れると床暖房がお得、というような営業トークをしてくる住宅営業マンもいますが、全然お得ではありません。
お得に使える場面というのはかなり限定的です。
図を見ると『熱交換』と書いてありますよね。
これは、タンクに入っているお湯の熱が床暖房の熱源になっている不凍液を温め、循環しますよというものなのです。
つまり、タンク内にお湯がなく、中の水が温まっていない時というのは、エネファーム内のエコジョーズが普通に起動して、タンク内の水を温めることで床暖房を起動させるのです。
普通にガスを使って床暖房を起動させているだけなので、発電していないのです。
仮に発電していたとしても、またダブルでガスを使うことになります。
全然、お得ではないですよね。
どうしてもエネファームを入れる場合の工夫
「床暖房をお得に使うためにはどうしたらいいんだ?」という話ですが、これはかなり限定的な話になります。
先ほども説明しましたが、エネファームは大量のお湯を使う時間を逆算してタンクの中の水を60度に温めます。
つまりそのお湯をつくっている時間帯に床暖房を使えば、確かに副次的に得られる熱でお得に床暖房を使えるかもしれません。
しかし、ほとんどの場合、現実的な時間帯ではないのです。
イメージしやすいようにお伝えをすると、例えば19時にお風呂のお湯を沸かすためにエネファームが17時から起動するとします。
そしたら17時から19時までの間の2時間は、効果効率的に床暖房を使える時間、ということになるわけですが、逆を言えば、それ以外の時間に床暖房を使うと、エコジョーズがただただフル稼働しているだけということになります。
夕方の時間はバタバタしていたり、そもそも家にいなかったりということも普通にあるため、いかにこの仕組みが現実的でないかがわかると思います。
一言でまとめると、エネファームという給湯器は、ガス屋が効果効率的に儲けるための機械であって、仕組みを知らないで導入すると完全に搾取さる給湯器だということです。
ただ、もし仮にどうしてもエネファームを入れなければならないなら
- お風呂のお湯などで大量のお湯を使ってタンクの中が水になった場合、ガスの垂れ流しを防ぐためにエネファームに無駄な発電をさせない
- 床暖房を使うなら、エネファームが発電しながらタンクにお湯を溜め込んでいる時に合わせて使う
といった工夫が必要になります。
なんならエネファームの発電機能を完全にストップさせて、中のエコジョーズ単体を使用した方がいいケースもあるのではないかと思っています。
とにかくエネファームは、知れば知るほど怪しい機械なので、採用を検討しているなら、諸々慎重に判断してください。
多くの住宅営業マンがエネファームを推奨する理由
余談にはなりますが、なぜ今もなお多くの住宅営業マンがエネファームを推奨しているのかというと
- 会社から売れと言われているから。
- エネファームを売ることによって、ハウスメーカー各社は「環境に配慮している」というクリーンなイメージを消費者に与えられるから。
この2つの理由があるからなのです。
要は私たちのお財布のことよりも、企業のイメージアップの方に重点を置いているということです。
アンテナの高い住宅営業マンの給湯器の提案
ただ、今は光熱費の高騰で「どうやらエネファームって良くないんじゃないか」ということに一部の住宅営業マンも気づき始めているという状況にあります。
ですので、アンテナの高い一部の営業マンは、既にエネファームの提案をやめています。
ではそういったアンテナの高い営業マンたちは、一体どのような給湯器を提案しているんだ?という話だと思いますが、結論
- オール電化にするならソーラーチャージ機能付きのエコキュート
- ガスと電気の併用をどうしてもしたいなら、エコワンのハイブリット給湯器
これらになります。
正直、個人的には建物の断熱性能と気密性能をマシマシにして、オール電化一択にしてもらいです。
それが一番経済的だと思っているからです。
ただやはり中にはカンタくんを使いたい、ガスで料理したい、という人もいると思います。
その場合は、ハイブリット給湯器のエコワンがベストな選択肢になります。
これまでの私の話を聞いて難しくてわからなかったという方もいるかもしれませんが、とにかく、
- オール電化にするならソーラーチャージ機能付きのエコキュート
- ガスと電気の併用をどうしてもしたいなら、エコワンのハイブリット給湯器
を採用すること、これだけ覚えておいてください。
やめた方がいい設備と提案3:床暖房
注文住宅のやめた方がいい設備と提案3つ目は、床暖房です。
最近、床暖房を付けない方も増えてきています。
理由はシンプルに、床暖房を付けると光熱費が高くなるからです。
先ほどもお伝えしましたが、もし仮に床暖房を入れて月々の光熱費が4万円から4万5千円だった場合、追加で住宅ローンを2,000万円組んでいるのと同じなのです。
わざわざ光熱費が高くなる仕様を選ぶ必要はないわけですし、床暖房の設置費用でかかる40万円くらいのお金を、窓の強化や断熱材の強化に回した方が合理的です。
しかも床暖房は、万が一故障したら、床材を全面剥がして修理しなければならないので、リフォーム費用もかなりの金額がかかってしまいます。
ハウスメーカーによっては、そもそも床暖房を入れる前提でのつくりになっていることもあるので、この辺りはきちんと見極めるようにしましょう。
やめた方がいい設備と提案4:シート系フローリング
注文住宅のやめた方がいい設備と提案4つ目は、シート系フローリングです。
シート系フローリングはここ数年で撲滅されたのではないかというくらい、私の周りでは見なくなりました。
そもそもシート系フローリングというのはなんなのかというと、合板の上に木目を模したシートが貼り付けられている床材です。
わかりやすく例えなるなら、ニトリの家具を思い浮かべてください。
ニトリの家具はそのほとんどが木目のシートを貼り付けてつくられているのですが、あのようなイメージです。
このシート系床材は、一昔前はメンテナンスフリーで、かつ高耐久の床材とされ、価格も安いことからよく提案されていました。
確かにそういった側面もあるにはありますし、最近ではシート床材特有のペタペタした触り心地も解消されていたりします。
事実、トリニティという名前のシート系床材は、触ってもペタペタしにくくなっています。
そのため一見すると良さそうなのですが、やはり偽物は偽物です。
木目を印刷したシートが合板に巻きつけてあるだけなので、傷がついてしまうと補修はしにくいですし、私がよくおすすめしている無垢床と比較すると、圧倒的に床の触り心地が冷たくなります。
これはもうシート系床材の限界かなというところではあるのですが、床材選びで室内の雰囲気と住み心地の8割は決まります。
ですので、できれば床材にはお金をかけるようにしましょう。
営業マンの中にはいまだに「シート系床材はメンテナンスがかからない最強の床材です」という話し方をする人がいるので、そこはご注意ください。
やめた方がいい設備と提案5:サイディング
注文住宅のやめた方がいい設備と提案5つ目は、サイディングです。
こちらも最近ではほとんど見なくなった提案内容の1つかなと思っています。
サンディングをおすすめしない理由
そもそもサイディングとはなんなのか?という話ですが、頭の整理も兼ねて、大枠から掘り下げてお話をしていきます。
ハウスメーカーが使う外壁は大きく分けて、
- サイディング
- タイル
- 吹き付け
この3つがあります。
価格としては
- サイディング
- タイル
- 吹き付け
この順番で高くなるので、全体的に見ると、どうしても価格が安いサイディングが注目されがちです。
サイディングは、元となる材料に吸水性があるため、防水性の機能を保たすには表面の塗装が重要になってきます。
つまり、表面の塗膜が劣化すると、雨を吸収してサイディング自体が劣化してしまう可能性があるのです。
更にその状態を放置すると、建物の構造にまで大きな影響を与えてしまいます。
ですのでサイディングの塗装の耐用年数も、一般的に7年〜8年くらいと言われています。
ただそんな短い頻度でメンテナンスが必要になってくると、その都度数百万円単位のお金がかかってしまうので、今は先行投資として、タイルか吹き付けを選択している方が多い印象です。
サイディングを採用された方は、ここ数年本当に1軒も見ていません。
良いサンディングもある
サイディングがそんなに悪いものなのかと言われればそんなこともなく、今お話したのは、厳密にいうと『窯業系サイディング』と呼ばれるもののことで、サイディングにはその他にも
- 金属系サイディング
- 木質系サイディング
- 樹脂系サイディング
という3つのサイディングが存在します。
特に金属系サイディングのいわゆるガルバリウムを使った外壁は、窯業系サイディングに比べて、長期間メンテナンスが不要です。
また皆さんご存知のとおり、金属は水を吸いません。
そのため浸水する心配もないので、価格を抑えるなら金属系サイディングはわりとおすすめです。
あとは企業案件ではないですが、旭トステム外装株式会社というところが販売しているOBOROという外壁があります。
これはパナソニックホームズの外壁キラテックと同じように、目地のないシームレスな外観をつくれます。
当然、タイルや吹き付けに比べるとメンテナンス性は劣りますが、それでも価格を抑えつつ、更にデザイン性の高い外壁となっているので、使えるのであればこういう外壁もありかなと思います。
サイディングを使ったら全てがダメ!という話ではないので、そこはきちんとご理解いただきたいのですが、一応諸々の観点から、サイディングの提案は最近ほとんど見なくなってきているという事実と、もし仮にサイディングを選んだとしても、当然種類によってそこには良し悪しがある、というお話でした。
ぜひとも覚えておいてください。
やめた方がいい設備と提案6:標準の断熱仕様
注文住宅のやめた方がいい設備と提案6つ目は、標準の断熱仕様です。
ここ最近、断熱に対する考え方が大きく変わってきています。
ハウスメーカーによってはまだ新しい断熱仕様を出しておらず、窓の数を減らしたり、窓の大きさを小さくしたりすることで、むりやり断熱等級6にして提案しているところもあります。
それでもだいぶ意識が変わってきているなという印象です。
というのも、新しい断熱仕様を出しているハウスメーカーで、かつアンテナの高い営業マンは、当然、断熱仕様を上げてお客さんに提案するようになりましたし、自社で新しい断熱仕様が出ていなければ、その差分を埋めるための提案として、いろいろな工夫をしながら対応する方も出てきました。
標準仕様の断熱仕様は、よほど予算が厳しかったり、何かしらの理由があったりという状況でないと、 もう提案しないのではないかなという感覚が私にはありますが、アンテナの高い担当者ばかりでないのも事実です。
ハウスメーカーを検討されている方は、自分が検討しているハウスメーカーは現在どのような状況で、仮に弱点があるならどう克服するのか、これを考えるようにしてください。
やめた方がいい設備と提案7:バルコニー
注文住宅のやめた方がいい設備と提案7つ目は、バルコニーです。
これに関しては、私が住宅の情報発信をし始めた3年前からよく言われるようになったことですが、バルコニーはそれをつくる時に発生する費用やメンテナンス費用がかかるわりに、使用する機会が限定的です。
例えば一般的なバルコニーはつくるのに5、60万円かかるのですが、更にメンテナンスでも再度防水処理を施すのに50万円から90万円くらいかかる印象です。
しかもメンテナンス費用は定期的にかかってくるものなので、けっこうな金食い虫にもなります。
そんなこともあって、今はバルコニーをつけない家が増えてきています。
私自身もバルコニーはなくてもいい派なので、この流れは基本的には賛成ですが、一方で建築地が都内などの住宅密集地の場合は、バルコニーをつくった方がいいと私は思っています。
なぜならバルコニーがあることで、庭のようなプライベートスペースをつくれるからです。
都内などの限られた大きさの土地で家を建てる場合は、どうしてもLDKがコンパクトになりがちですが、バルコニーがあることで、空間を広く感じられるようになるわけです。
確かにバルコニーはつくるとお金がかかってしまいます。
しかしその一方で、バルコニーがないと困る立地もある、という事実もあるのです。
こう考えると「バルコニー=いらないスペース」だとは一概には言えないということがわかりますよね。
ですので、確かにバルコニーは『注文住宅のやめた方がいい設備と提案』ではあるものの、それは建築地によって異なるということを理解し、柔軟に対応していただければと思います。
やめた方がいい設備と提案8:お風呂場の鏡と窓
注文住宅のやめた方がいい設備と提案8つ目は、お風呂場の鏡と窓です。
私の自宅も鏡なし、窓なしのお風呂にしていますが、鏡と窓がなくて困ったことは一度もありません。
これについてもだいぶ前から言われていることではありますが、お風呂場の鏡は汚れやすく曇りやすいですし、そもそも使い勝手があまり良くないのです。
窓に関しても、それを付けることで断熱性能の良い窓にしなければいけなかったり、あとは掃除する場所が増えたりするわけです。
更に浴室内の気密がきちんと取れていないと、換気が上手くできず、湿気が抜けないため、浴室内がカビる原因になります。
浴室の窓を引き違いにしてしまうと隙間風が入りやすくなるため、換気がうまく機能しなくなり、結果、浴室がカビやすくなってしまうのです。
ですので、浴室の窓は、実は付けることによって得られるメリットよりも、デメリットの方が大きいのです。
そんなこんなで個人的には浴室の鏡と窓を無くすことで、数十万円のコストカットにつながることや、それ以外にも得られるメリットが非常に大きいことから、浴室の鏡と窓の削除は強く推奨しています。
ただどうしてもそれらを付けたい、ということであれば私は止めません。
そもそも注文住宅に正解も不正解もないですからね。
ただ浴室の鏡や窓を無くすことで、費用を抑えられるということ、そして掃除する場所も減らせるということ、これらの大きなメリットがあることだけは覚えておいてください。
やめた方がいい設備と提案9:太陽光設置なし
注文住宅のやめた方がいい提案9つ目は、太陽光設置なしです。
私は昔から太陽光設置は賛成派です。
そのため、なぜ太陽光を付けた方が良いのか、といった動画を過去に出しているのですが、その動画を出した当初は「太陽光の設置を推進するなんてバカなんじゃないか?」「あり得ない!」「非人道的だ!」というような、まぁそこまで言われていなかったかもしれませんが、とにかく当時はすごく叩かれたわけです。
ただ、もうさすがに太陽光を設置しないとマズそうだということは、薄々皆さんも気がついてきたのではないでしょうか。
というのも電気代の値上げがえげつないほど行われているからです。
実際、私が住んでいるのは東京ですが、現在と去年の電気代を比較すると、使っている電気量はほぼ変わらないですが、金額としては6,000円も値上がりしているのです。
6,000円の値上がりはけっこうな金額ですよね。
しかもこの値上がりは今後も続くとされていて、2030年までには年間の電気料金の負担が今よりも4万円も増えるとされています。
このような状況でもあるので、確かに太陽光を設置することで目先の金額はかかるものの、先行投資で設置してしまった方が確実に元は取れるわけです。
しかも中途半端に乗せるのではなく、けっこうガッツリ乗せた方がいいです。
具体的には今は最低でも7kgは乗せないと、太陽光による恩恵は感じにくいです。
一昔前の感覚で「4kgくらいで十分ですよ。」と言ってくる住宅営業マンもいるのですが、それは真っ赤な嘘で、現状を把握していない人が言う営業トークです。
今は最低でも7kgは必須です。
ましてや太陽光を乗せないのは論外なので、なるべく設置するように検討してみてください。
やめた方がいい設備と提案10:第3種換気
注文住宅のやめた方がいい提案10個目は、第3種換気です。
第3種換気は、外気をそのまま室内に取り入れて、機械で室内の空気を排気する換気方法のことを言います。
これは外気をそのまま取り入れるので、夏は高温多湿の空気を室内に取り入れることになりますし、冬は乾燥したカラカラの空気をそのまま室内に取り入れることになります。
省エネという観点から考えると経済合理性が悪いですし、更には家全体の温湿度を一定にする高気密高断熱という家の考え方から外れてしまう換気方法でもあるわけです。
事実、家全体の温湿度が一定となった高気密高断熱の家に住むことで、年間の医療費を削減できるというデータがあるくらいです。
「そんなデータが存在するの?」と驚かれた方もいると思いますが、実際にあるのです。
医療費を削減して日々の生活を豊かにするためにも、快適な暮らしを手に入れるためにも、温湿度を一定しにして、第3種換気は入れないようにしましょう。
入れるなら機械で温度と湿度を調整して室内に新鮮な空気を取り入れてくれる全熱型の第1種換気、これがおすすめです。
顕熱型と呼ばれる第1種換気もありますが、これは温度調整をしてくれるだけのものなので、選ぶなら温湿度調整をしてくれる全熱型、これ一択になります。
ご注意ください。
【最新】注文住宅でやめた方がいい設備と提案10選のまとめ
『【最新】注文住宅でやめた方がいい設備と提案10選』というテーマでお話をしました。
まとめると、
- 全面アルミ樹脂複合サッシ
- エネファーム
- 床暖房
- シート系フローリング
- サイディング
- 標準の断熱仕様
- バルコニー
- お風呂場の鏡と窓
- 太陽光設置なし
- 第3種換気
以上の10個になります。
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